退職祝いは何を贈る?プレゼントの選び方・相場・マナーをわかりやすく解説

退職祝いは何を贈る?プレゼントの選び方・相場・マナーをわかりやすく解説

WANTO編集部

お世話になった方の退職が決まったとき、感謝の気持ちをどう形にすればいいか悩む方は多いのではないでしょうか。退職祝いは、相手との関係性や退職理由によって選び方が変わるため、適切なギフトを選ぶにはいくつかのポイントを押さえる必要があります。

この記事では、退職祝いのプレゼント選びの基本から、相場、マナー、おすすめのギフトまで解説します。定年退職や転職など、シーン別の選び方のコツも紹介しているので、贈る相手に合わせた最適なギフト選びに役立ててください。

退職祝いは何を贈る?選び方の基本

退職祝いを選ぶ際は、相手の退職理由や今後のライフスタイルを考慮することが大切です。喜ばれるギフトを選ぶための基本的なポイントを押さえておきましょう。

退職理由(定年・転職)で異なる選び方のポイント

退職理由によって、適したギフトの方向性は変わってきます。

定年退職する方には、労いの気持ちを表して退職後の生活を充実させるものが喜ばれます。また、定年退職は人生の節目でもあるため、旅行や食事などの特別な体験や、記念に残るアイテムもおすすめです。

転職によって退職する方には、今後の活躍を願って新しい職場で使えるものがよいでしょう。ビジネスグッズや幅広いシーンで使えるアイテムなどが適しています。

結婚や出産による退職の場合は、新生活に役立つ実用的なギフトや、相手が自由に選べるカタログギフトなどが喜ばれます。

職場で渡しやすいギフトの条件

職場で退職祝いを渡す場合、持ち帰りやすいサイズと重さであることが重要です。大きすぎたり重すぎたりすると、退社時の荷物になってしまいます。

また、食品の場合は常温保存が可能なものを選びましょう。生鮮食品や要冷蔵のものは、すぐに帰宅できない場合に負担になってしまいます。

退職祝いの相場と金額の目安

退職祝いの金額の目安は、贈る相手との関係性によって変わります。一般的な相場は以下の通りです。

上司・先輩に贈る退職祝いの相場

個人で贈る場合は、5,000〜10,000円程度が一般的です。特にお世話になった方や、長年の上司であれば10,000円程度を目安にすると良いでしょう。

部署やチームで贈る場合は、一人あたり1,000〜3,000円程度を集め、全体で10,000〜30,000円程度のギフトを選ぶケースがあります。複数人で連名で贈る場合は、一人あたりの負担額を抑えつつまとまった金額のギフトを用意できます。

同僚・部下・後輩に贈る退職祝いの相場

個人で贈る場合は、3,000〜5,000円程度が目安となります。親しい間柄であれば5,000円程度、通常の関係性であれば3,000円前後が適切でしょう。

グループで贈る場合は、一人あたり500〜1,000円程度を集めて、全体で3,000〜10,000円程度のギフトにするケースが多いです。

同僚や後輩の場合、相手に気を遣わせすぎない金額設定がポイントです。

父母など家族に贈る退職祝いの相場

両親への退職祝いは、10,000〜30,000円程度が相場です。

父親または母親が定年退職を迎える場合は、兄弟姉妹と協力して相場より予算を上げるのもよいでしょう。プレゼントの選択肢が広がり、旅行や特別な体験など、より思い出に残る退職祝いを贈れます。

家族の場合は形式的な相場よりも、相手の好みや今後の生活に役立つものを選ぶことが大切です。

友人・知人に贈る退職祝いの相場

友人や知人への退職祝いは、3,000〜5,000円程度が目安です。

気軽に受け取れる金額で、相手に負担をかけない配慮が大切です。

友人関係の場合は、高額なギフトよりも相手の好みをよく理解した上での選択や、一緒に過ごす時間をプレゼントすることも素敵な贈り物になります。

【ジャンル別】退職祝いのおすすめギフト

退職祝いに「これでなければいけない」という決まりはありません。ここでは、定番から人気のものまで、ジャンル別におすすめのギフトを紹介します。

花束・フラワーギフト

花束やフラワーギフトは、退職祝いの定番です。華やかで場を明るくし、感謝の気持ちを視覚的に伝えられる点が魅力です。退職理由を選ばず、お世話になった上司、同僚など幅広い相手に適しており、特に職場で手渡しするシーンに向いています。

生花の花束のほか、プリザーブドフラワーやハーバリウムなど、長く飾れるフラワーギフトも人気があります。持ち帰りやすさを考え、サイズや包装にも気を配るとよいでしょう。

お菓子・グルメ

お菓子やグルメギフトは、誰にでも喜ばれやすく、消えもので気を遣わせないため、失敗の少ない選択肢です。賞味期限が長いものを選べば、相手のペースで楽しんでもらえます。普段は自分では買わないようなワンランク上のものを選ぶと喜ばれやすいでしょう。

同僚や後輩、気軽に贈りたい相手にぴったりで、転職・異動といった軽めの退職理由にもよく選ばれます。

退職祝いのおすすめの菓子折りについて詳しくは以下の記事をごらんください。

退職挨拶の菓子折りはどう選ぶ?相場・タイミング・おすすめ菓子・マナーを解説

カタログギフト

カタログギフトは、個人的な好みをよく知らない方への贈り物に重宝します。相手が自分で好きなものを選べるため、確実に喜んでもらえるのが最大のメリットです。

最近のカタログギフトは、グルメ専門、体験専門、雑貨専門など、テーマ別に細分化されているものもあります。価格帯も幅広く、3,000〜20,000円前後まで選択肢があります。

上司・同僚・家族など幅広い関係性に対応でき、どんな退職理由でも活用できる万能ギフトです。

タオルなどの実用ギフト

日常的に使える実用的なギフトは、年齢や性別を問わず喜ばれます。特に品質の良いタオルは、自分ではなかなか買わない贅沢品として人気があります。

他にも、高品質なバスローブやルームウェアなど、リラックスタイムに使えるアイテムも、退職後のゆったりとした時間を過ごしてもらうのに最適です。

ビジネス用品

上質なボールペンや万年筆、名刺入れ、ビジネスバッグなどは、実用性が高く長く愛用してもらえます。特に筆記用具は、名入れをすることで特別感が増し、記念の品としても価値が高まります。

特に転職が決まっている同僚や後輩、日頃仕事を共にしてきた部下などに選びやすいジャンルです。

体験ギフト

体験ギフトとは、全国の遊び・体験をプレゼントとして贈れるギフトチケットです。モノをあげて終わりではなく、遊び・体験を贈ることで記憶に残る思い出をプレゼントできます。

特に定年退職や長年勤続してきた上司・父母などへの贈り物として人気があります。夫婦で使える体験も多く、記念に残るギフトとして選ばれています。

名入れギフト

名前やメッセージを入れられる名入れギフトは、特別感があり記念の品として長く大切にしてもらえます。特に定年退職される方への贈り物として人気です。

名入れができるアイテムは、ボールペンやタンブラー、グラス、フォトフレームなど多岐にわたります。退職日や感謝のメッセージを添えることで、世界に一つだけのオリジナルギフトになります。

女性に贈るおすすめギフト

女性への退職祝いは、華やかさや癒し、見た目の美しさを意識したギフトが喜ばれる傾向があります。フラワーギフトやスイーツ、香りのアイテム、ハンドケア用品などは年代を問わず人気です。また、タオルやハンカチなど、品質の良い実用品も選びやすいジャンルです。

女性に贈る退職祝いについて詳しくは以下の記事をご覧ください。

女性が喜ぶ退職祝いとは?失敗しないプレゼントの選び方・相場・マナーまで解説

男性に贈るおすすめギフト

男性への退職祝いは、実用性・シンプルさ・仕事や趣味で使えるアイテムが好まれる傾向があります。ビジネス用品、革小物、コーヒーやお酒などの食品ギフトが選ばれています。特に転職する男性には、新しい職場で使える実用的なアイテムが喜ばれます。

退職祝いの基本のマナー

退職祝いを贈る際の基本的なルールを確認しておきましょう。

のし紙の書き方と表書き

退職祝いに掛ける水引は「紅白の蝶結び」が基本とされます。ただし、結婚が理由で退職する場合は結婚祝いの意味も含まれるため、一度きりであるべきお祝い事に使う「結び切り」の水引を使うことが適切です。

表書きは、退職の理由によって変わります。

「御礼」は、退職祝いののしにおいて最も汎用性の高い表書きです。基本的に「御礼」と書けば、マナー違反となることはありません。

水引の下には贈り主の名前を書きます。個人で贈る場合はフルネーム、グループで贈る場合は「◯◯部一同」「有志一同」などと記載します。

のしの連名の書き方について詳しくは以下の記事をご覧ください。

【早見表付き】正しいのし(熨斗)の連名は?書き方と正しい順番を解説!

退職祝いを渡すタイミングと渡し方

退職祝いは、退職日の1〜2週間前に贈るのが無難です。退職日当日は慌ただしく、相手に迷惑をかけてしまう可能性があります。

送別会がある場合は、その場で渡しましょう。送別会がない場合や個人で渡す場合は、退職日の数日前に直接手渡すのが丁寧です。

「お世話になりました」「これまでありがとうございました」といった言葉を添え、今後の活躍や幸せを願う気持ちを伝えましょう。

退職祝いで避けるべきアイテムとその理由

退職祝いでは、縁起が悪いとされるアイテムや、誤解を招きやすい品物は避けるのが安心です。

定年退職の方や目上の方に対しては、ビジネス用品は『働き続けてほしい』という意味に捉えられる可能性があるため避ける場合があります。一方で、転職する方など「これからも仕事を続ける」相手には、実用的なビジネス用品が喜ばれるケースも多く、相手の状況に合わせて判断することが大切です。

また、妊娠・出産を理由に退職する方への贈り物として、アルコール類やカフェインの多い飲料はNGです。 さらに、出産前の段階でベビー用品を贈るのも避けましょう。相手にプレッシャーを与えてしまう可能性があり、非常にデリケートな時期であることに配慮する必要があります。

他にも、下記のような品物は、退職祝いに関わらず避けるべきとされています。

商品 理由
刃物類(ナイフ・包丁・ハサミなど) 「縁を切る」という意味に捉えられる。
ハンカチ 「手切れ」を連想させる。
履き物(靴下・スリッパ・靴など) 「踏みつける」という意味に捉えられる。
肌着類 生活に困っている方にあげるものとされている。
櫛(くし) 「苦」「死」を連想させる。

ただし、最近ではマナーの解釈も柔軟になってきており、実用性が高いことを理由に喜ばれるケースも増えています。迷った場合は、「相手がどう受け取るか」を基準に選ぶと安心です。

気持ちが伝わる退職祝いメッセージの文例

退職祝いのギフトには、ひとことでもメッセージを添えると気持ちがより伝わります。相手との関係性や退職理由によって言葉の選び方は変わりますが、「これまでの感謝」「今後の活躍や健康を願う気持ち」を盛り込むと、温かみのある文章になります。ここでは、汎用的に使いやすいメッセージ文例をご紹介します。

汎用的なメッセージ例:

「これまで支えていただき、本当にありがとうございました。これからの歩みが明るく健やかなものとなり、ますますご活躍されますよう心よりお祈りしています。」

「これまでのご尽力に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。今後のご活躍とご健康をお祈りし、新たな日々が実り多いものとなりますよう願っています。」

退職祝いのお返しは必要?

退職祝いをもらった側が気になるのが、お返しの必要性です。結論から言うと、お返しは必須ではありません。ただし、相手との関係性や贈り物の内容によっては、軽いお礼を贈るのが丁寧な場合もあります。

以下のような場合は、気持ちとしてお礼の品を返すと丁寧な印象になります。

  • 個人的に高価な退職祝いをもらったとき
  • 取引先や上司など、今後も関係が続く相手から受け取ったとき
  • 複数人から連名でまとまった贈り物を受け取ったとき(お菓子などでお礼する)

相手に気を遣わせない範囲の金額で、簡単なお礼の品と一言のメッセージを添えると、より丁寧な印象になります。

退職祝いのお返しについて詳しくは以下の記事をご覧ください。

退職祝いのお返しは必要?タイミング・相場・のし・メッセージ文例までわかりやすく解説

相手に合わせた退職祝いで感謝を伝えよう

退職祝いは、お世話になった方への感謝の気持ちを伝える大切な機会です。相手の退職理由や関係性、ふだんの好みを思い浮かべながら、心のこもったギフトを選びましょう。

金額の相場やマナーを確認しておくことも大切ですが、やはり中心にあるのは「相手を思う気持ち」です。選ぶ時間や添えるひと言まで含めて、その人の心に静かに残る贈り物になるはずです。

ブログに戻る