退職祝いのお返しは必要?タイミング・相場・のし・メッセージ文例までわかりやすく解説
WANTO編集部退職という節目にいただく贈り物はうれしいものですが、その一方で「お返しは必要?」「どんな品を選べばいい?」と迷う方も多いでしょう。
本記事では、退職祝いのお返しが必要となるケースや不要なケース、適切なタイミング、相場、のしの選び方、使いやすいメッセージ文例までわかりやすく解説します。
円満に退職の日を迎えるための参考にしてください。
退職祝いのお返しは必要?判断基準と一般的な考え方
退職祝いのお返しは、一般的には不要とされています。
退職祝いはもともと、お返しを前提とした贈り物ではありません。そのため、特に会社から支給される退職祝いや、部署全体からいただいた記念品などに対しての形式的なお返しは不要です。退職後に落ち着いた頃、お礼状などで感謝を伝えれば失礼にはあたりません。
ただし、職場によってはお返しをすることが慣例になっている場合もあります。過去の退職者がどのようにしていたかを確認し、その慣例に従うのが無難でしょう。
退職祝いのお返しが「必要になるケース」とは
お返しが基本的に不要とされる一方で、お返しを用意しても不自然にはあたらないケースもあります。
- 個人から高額な贈り物を受け取った場合
- 退職後も関係が続く取引先や上司から受け取った場合
- 結婚祝いも兼ねた退職祝いを受け取った場合
また、複数名から連名でまとまった退職祝いを受け取った場合には、菓子折りなどで簡単にお礼を伝えておくと好印象です。
退職祝いのお返しが必要になる場面に共通するのは、相手が自分のために特別な配慮や負担をかけてくれたケースであることです。感謝の気持ちを形にして返すことで、今後の良好な関係を維持できます。
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【理由別】退職祝いのお返しはいる?いらない?
退職理由によって、お返しの必要性や対応方法が異なります。
定年退職の場合のお返し判断
定年退職の場面では、お返しは基本的に不要とされています。理由として、定年退職祝いは「長年の勤続に対する労い」が目的であり、そもそも返礼を求めない性質のお祝いだからです。
また、定年後は相手との利害関係が継続しないケースが多く、形式的な返礼よりも、これまでの感謝を伝えることが重視されます。
そのため、丁寧なお礼状を添えるだけでも十分とされています。
転職の場合のお返し判断
転職による退職の場合は、定年と異なり 今後も取引や仕事で関わる可能性が残ることが多いため、お返しをしておくのが無難です。
特に、個人から高額のお祝いをいただいたり、次の職場でも関係が続く相手から贈られた場合は、感謝の気持ちを形にして示しておくのもよいでしょう。
転職はあくまでキャリアのステップであり、関係が終わるわけではないため、適度に丁寧な対応が望まれます。
寿退社の場合のお返し判断
寿退社でいただく退職祝いには、「結婚祝い」を兼ねられているケースが多く、お返しは結婚内祝いとして行うのが正式なマナーです。
この場合は、退職のお返しではなく「結婚祝いへの内祝い」という扱いと捉えるとよいでしょう。
「お返し不要」と言われたときの正しい対応
「お返しは不要です」と言われた場合は、簡単なお礼状や言葉で感謝の気持ちを伝えると丁寧です。
高価な品物でお返しをしてしまうと、相手の善意を無駄にすることになりかねません。相手の言葉を尊重しながら、感謝の気持ちは言葉でしっかりと伝えましょう。
退職祝いのお返しはいつまでに贈る?
退職祝いのお返しを贈る場合は、退職後1ヶ月以内がひとつの目安です。新生活の準備で慌ただしくなることも多いため、早めの対応がよいでしょう。
ただし、退職前後の状況や相手と会えるかどうかによって、最適な渡し方は変わります。
職場で会える場合(手渡し)
退職日に渡すのは慌ただしくなることが多いため、退職前の落ち着いた日に渡すのが自然です。業務のすき間や挨拶のタイミングなど、相手が受け取りやすい時間を選びましょう。
直接会えない場合(リモート勤務・別拠点・取引先など)
会う機会がない場合は、退職後に郵送するのが一般的です。この場合も1ヶ月以内を目安に、できるだけ早めに送りましょう。郵送時は、お礼状を添え、退職後の状況や感謝の気持ちを一言添えると丁寧な印象になります。
退職祝いのお返しの選び方と相場・金額
退職祝いのお返しに高額品は不要で、相手に気を遣わせないような控えめな品物を選びましょう。ただし、個別に贈る場合と職場全体へ贈る場合では、選ぶ品物も金額感も変わってきます。
職場全体へのお返しの場合
部署全体や複数名へのお返しは、3,000〜5,000円程度の予算で十分です。
個包装の焼き菓子や、休憩室で分けやすいコーヒーや紅茶、共有スペースに置くだけで楽しめる小さな観葉植物などが選ばれます。どなたでも受け取りやすく、分けやすいものが適しています。
個別にお返しをする場合
個別のお返しは「半額〜1/3程度」が目安です。これは、日本の贈答文化にある「半返し」の慣習に基づくもので、相手に負担を感じさせず感謝を伝えられる範囲といえます。
相手の好みを知っている場合は、好みに合わせたものがベスト。わからない場合は、好みに左右されにくい日用品がよいでしょう。退職のお祝いを消えものでいただいた場合は、同じく消えものをお返しの品に選ぶのが一般的です。
退職祝いのお返しの「のし」と書き方
退職祝いのお返しを郵送・手渡しする際は、のし紙を付けるとより丁寧な印象になります。基本は、「紅白の蝶結び」の水引がついた掛け紙をかけ、表書きは「御礼」とします。
寿退社の場合は、いただいた退職祝いが実質的に「結婚祝い」を兼ねるケースが多いため、返礼の表書きは「結婚内祝」として贈るのが基本です。形式を簡素にしたい場合は「内祝」としても失礼にはあたりません。
のしを付けない場合もある
親しい間柄では、のしを付けるとかえって堅苦しくなることもあります。相手からの贈り物にのしが付いていた場合には合わせるなど、関係性に応じて柔軟に判断しましょう。
退職祝いのお返しに添えるメッセージ文例
退職祝いのお返しには、ひと言でもメッセージを添えると気持ちがより伝わります。感謝の気持ちを伝えるとともに、先方の健康や仕事の繁栄を願う言葉を入れるとよいでしょう。
汎用的なメッセージ例:
「この度は温かいお心遣いをありがとうございました。在職中は大変お世話になりました。皆さまのご健康とご活躍を心よりお祈り申し上げます。」
退職祝いのマナーをおさえて円満な退職の締めくくりを
退職祝いのお返しは、基本的には必要ありません。大切なのは、形式にとらわれすぎず、これまでお世話になった方々へ感謝の気持ちを誠実に伝えることです。
適切なマナーを押さえつつ、無理のない範囲で心のこもったお礼やメッセージを添えれば、それだけで十分思いが伝わります。
自分らしい形で気持ちを伝えることが、円満な退職につながります。新しいスタートを前向きに迎えるためにも、無理のない範囲で丁寧に感謝を示し、退職の節目を気持ちよく締めくくりましょう。