のし(熨斗)とリボンは併用できる?OK・NGルールと正しい使い方を解説

のし(熨斗)とリボンは併用できる?OK・NGルールと正しい使い方を解説

WANTO編集部

贈り物を包むとき、「のしとリボンは一緒に使っていいの?」と迷ったことはありませんか。結論から言うと、贈るシーンと組み合わせを押さえれば、のしとリボンを併用しても問題ありません。

ただし、リボンとのしのバランスや、弔事・ビジネスなど場面ごとのルールには注意が必要です。どのように使い分ければよいかを知っておくことで、相手に失礼のない贈り方ができます。

この記事では、のしとリボンを併用する際の基本マナーから、シーン別の正しい使い方、きれいに見せるコツまでを分かりやすく解説します。

のしとリボンを一緒に使うときの基本マナー

のしとリボンは、組み合わせ方さえ間違えなければ一緒に使っても問題ありません。

特に、「内のしに包装紙をかけ、その上にリボンを結ぶ」スタイルは、のしの格式を保ちながらリボンで華やかさも加えられるため、よく選ばれる上品な組み合わせです。

ただし、すべての場面で使えるわけではありません。法事や弔事ではリボンは不向きで、使用するのは避けるべきとされています。また、ビジネスギフトでも、派手なリボンはフォーマルさを損ねることがあるため控えるのが安心です。

のしの基本知識

熨斗の基本

のしは、日本で古くから受け継がれてきた贈答の習慣です。もともとは「のしあわび」を添えることで、贈り物に誠意や祝意を込める風習があり、これが現在の「のし」の形へと受け継がれています。

今では、表書きや水引、名入れが印刷された「のし紙」が一般的で、贈り物の目的や思いを相手に伝える役割を担っています。水引には「結び切り」や「蝶結び」など種類があり、用途に合わせて選ぶことが大切です。

詳しいのしの種類や書き方については、以下の記事をごらんください。

のし(熨斗)の基本マナー|意味・由来・種類・現代マナーまで詳しく紹介

【リボンの基本】意味・種類・選び方

のしが日本の伝統的な贈答文化として根付いているのに対し、リボンは欧米のギフト文化から広まった装飾です。誕生日や出産祝い、入学祝いなど、明るい気持ちを伝えたいシーンでよく使われ、贈り物の印象をやさしく華やかにしてくれます。

ここでは、リボンの意味や種類、選び方のポイントを紹介します。

リボンを装飾に使う由来と意味

リボンは、もともと欧米の贈答文化の中で「祝福」や「感謝」を表すために使われてきた装飾です。中世ヨーロッパでは、贈り物を丁寧に包む行為そのものが愛情の表れとされ、そこからリボンが広く用いられるようになりました。

日本でもリボン文化は定着し、現在ではギフトラッピングの定番といえます。

「縁を結ぶ」「心を結ぶ」といった意味が込められることもあり、百貨店や専門店でもリボンを使ったラッピングが広く使われています。

リボンの種類と色の印象

リボンは素材や色によって印象が大きく変わります。光沢のあるサテンリボンは高級感があり、フォーマルな贈り物にぴったりです。透け感のあるオーガンジーリボンは軽やかな雰囲気があり、出産祝いや女性向けのギフトに向いています。

色にも意味があり、赤やピンクは祝福や愛情を、青や緑は爽やかさや落ち着きを表します。白や黒はシンプルで上品な色ですが、弔事では避けるのが一般的です。

素材や色に厳密な決まりがあるわけではないため、相手の好みやギフトの雰囲気に合った色を選ぶのがよいでしょう。

印象 適した用途
赤・ピンク 華やか・可愛らしさ 出産祝い、誕生日など
青・緑 爽やか・落ち着き 入学祝い、父の日など
白・銀・金 上品・高級感 結婚祝い、長寿祝いなど

リボンの結び方

リボンの結び方でも全体の印象が大きく変わります。一般的なのは蝶結びで、結び目が中央にそろっていること、左右のリボンの長さが均等であることがきれいに見せるポイントです。

また、リボンの端を斜めにカットするだけでも仕上がりが整い、見た目の完成度がぐっと上がります。シールタイプのリボンを使う場合も、まっすぐ貼ることや、のし・包装紙とのバランスを意識することで、丁寧な印象につながります。

【シーン別】のしとリボンの使い分け

贈る相手や場面に応じて、のしとリボンの選び方を間違えると、失礼な印象になる可能性があります。

ここでは、結婚・出産・弔事・ビジネスなど、代表的な贈答シーンに合わせたのしとリボンの組み合わせを紹介します。

お祝い(結婚・出産・入学など)での使い方

お祝いの贈り物では、のしとリボンを一緒に使うことが一般的です。

結婚祝いの場合は、水引が「結び切り」ののし紙に、落ち着いた色のリボンを合わせると品よくまとまります。出産祝いや入学祝いなど、繰り返しの慶事にあたる場面では「蝶結び」ののし紙を選び、明るい色や柔らかい素材のリボンを合わせると華やかな印象になります。

お悔やみや弔事での使い方

弔事や法事では、華やかな飾りと捉えられるリボンは使いません。

弔事の場合は、のしあわびの付かない「仏のし(掛け紙)」を使い、黒白や銀の水引を選ぶのが一般的です。包装紙も無地や落ち着いた色を選び、控えめな装いにすることで、失礼のない贈り方になります。

法事でののしのマナーについて詳しくは以下の記事をごらんください。

法事の熨斗(のし)のマナー・書き方とは?宗派・地域別の違いもまとめて解説

ビジネスシーンでの使い方

ビジネス上での贈り物では、のしを外側に主張しすぎない「内のし」を使うことが一般的です。包装紙の内側にのしを入れることで、形式を守りつつ落ち着いた印象に仕上がります。

リボンを添える場合は、紺やグレー、金など、目立ちすぎない色を選ぶと安心です。派手なリボンはビジネスシーンでは控えるほうが望ましいでしょう。

のしとリボンで気持ちの伝わる贈り物を

のしとリボンは、一緒に使えないわけではありません。ただし、贈る場面や相手との関係によって適切な組み合わせは変わります。意味やマナーを理解したうえで選べば、形式だけでなく、相手への心遣いまでしっかり伝わる贈り物になります。

シーンに合った使い分けを意識することで、配慮の行き届いた贈り物になります。相手に喜んでもらえるラッピングを選んで、気持ちの伝わる贈り物をしてみてください。

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