アメリカのバレンタインは日本とどう違う?意味や歴史、文化の違いまで詳しく解説

アメリカのバレンタインは日本とどう違う?意味や歴史、文化の違いまで詳しく解説

WANTO編集部

日本では、女性から男性へ想いを伝える日としても知られる「バレンタインデー」。日本のバレンタイン文化は、アメリカなどの諸外国とも大きく異なります。

この記事では、アメリカにおけるバレンタインの意味や歴史、日本との違いまで詳しく解説します。

アメリカにおけるバレンタインの意味

アメリカでは、2月14日のバレンタインは「愛」と「感謝」を伝える日とされています。カップルや夫婦が愛を伝え合うのはもちろん、家族や友人など、大切な人に感謝の気持ちを伝える日としても親しまれています。

日本のバレンタインギフトはチョコレートが一般的ですが、アメリカではチョコレートだけでなく、花束やキャンディー、バレンタインカードなどを贈り合います。男性から女性へプレゼントを贈ることも、男女間で贈り合うこともあります。

全米小売業連盟(NRF)が発表した2024年の消費者調査では、バレンタインに関する消費者支出は約258億ドルの見込みとされており、大きな市場だといえます。

参照:NRF 2024 Valentine’s Day Consumer Trends and Spending

アメリカのバレンタインの歴史

ここからは、アメリカのバレンタインの歴史について詳しく紹介します。

世界のバレンタイン事情についてはこちらの記事もごらんください。

バレンタインデーの起源は?由来や日本と海外の文化の違いをわかりやすく解説

古代ローマのお祭りが起源

バレンタインの起源には、古代ローマで毎年2月中旬に行われていた「ルペルカリア祭」が関係しているという説があります。ルペルカリア祭は多産と豊穣を祈願する祭りで、若い男性がくじ引きで若い女性の名前を引き、その女性とペアになって祭りの期間を過ごす風習がありました。この風習が、男女の交流を象徴する現代のバレンタインデーの原型になったと考えられています。

また、バレンタインという名前は、ローマ時代に実在したとされるキリスト教の司祭「聖ヴァレンティヌス」に由来するという説もあります。聖ヴァレンティヌスは、当時の皇帝の命令に背き、兵士たちの結婚を執り行っていた人物です。

彼は2月14日に処刑されましたが、彼の勇気ある行動は多くの人の心に響き、2月14日は聖ヴァレンティヌスに祈りを捧げる日となりました。

その後14世紀頃に、バレンタインデーがロマンスの日として祝う形に変化したとされています。

アメリカにバレンタインが伝わったのは1840年以降

アメリカにバレンタイン文化が伝わったのは、1840年以降です。19世紀にイギリスで郵便制度が整うと、バレンタインカードを送るのが流行し、これがアメリカにも波及したといわれています。

アメリカでは1840年代後半〜1850年代に、マサチューセッツ州ウースターのエスター・ハウランドがレース飾りのカードを商業化して、米国のカード文化を作っていきました。

ウースターでは20世紀に入ると配偶者・恋人・友人・クラスメイトなど、さまざまな間柄でグリーティングカードを交換するようになったとされており、「アメリカのバレンタインの発祥地」と呼ばれるようにもなりました。

19世紀から20世紀頃に花・チョコ・キャンディーを贈る文化が広がる

アメリカでは、バレンタインカードだけでなく花・チョコレート・キャンディーなどさまざまなものをプレゼントする形が定着していますが、この文化は19世紀から20世紀初頭にヨーロッパから移ってきたものと考えられています。

ヨーロッパでは、19世紀に「赤いバラがバレンタインの愛とロマンスを象徴している」という内容が記載された書籍が出版されています。この赤いバラの概念はアメリカにも知れ渡り、花はバレンタインの主要なプレゼントになりました。

その後、産業の進歩とともに、お菓子の製造メーカーがチョコレートやキャンディーなどのバレンタインデー向けの商品を続々と開発していきました。花とともに、チョコレートやキャンディなどのお菓子もバレンタインデーの贈り物としての地位を確立しています。

現代は愛と感謝を伝える日として定着

現代では、夫婦・恋人・友人など幅広い間柄で贈り物とともに愛と感謝を伝える日として定着しています。

バレンタインカード・花・チョコレートを贈ったり、レストランで食事をしたりして、バレンタインを多くの方々が楽しんでいます。小学校では、クラスメイト同士でバレンタインカードとお菓子を交換する行事があることも多いようです。

【バレンタイン文化】アメリカと日本の違い

アメリカと日本のバレンタインには、以下のようにさまざまな違いがあります。

アメリカ 日本
プレゼントを贈る側 主に男性 主に女性
学校行事になっている
義理チョコ なし あり
ホワイトデー なし あり

ここからは、アメリカと日本のバレンタイン文化の違いをくわしく解説します。

男性から女性にプレゼントを渡す

アメリカのバレンタインは、女性から男性に贈るだけではなく、男女間でプレゼントを贈り合うのが一般的です。とくに男性から女性にバレンタインカードや手紙を送ったり、チョコレートや花、キャンディーなどをプレゼントしたりすることも多くみられます。

バレンタインデーはプロポーズ・結婚式に最適なタイミングとされており、宝石などの高価な贈り物をする方もいます。レストランを予約して食事を楽しむカップルも多く、近年では、男女で互いに贈り物を交換したり、性別に関係なく大切な人と過ごす日として楽しまれています。

家族や友人にもプレゼントを贈る

アメリカのバレンタインでは、若者の男女や恋人だけでなく、家族・友人・職場の上司などにプレゼントを贈る方も多いです。アメリカのバレンタインは、恋人や夫婦が愛を伝え合うだけでなく、大切な人に感謝を伝える日でもあると考えられているからです。

学校行事に組み込まれていることもある

アメリカでは、小学校の学校行事にバレンタインが組み込まれていることもあります。

子どもたちは同級生にバレンタインカードやお菓子などを用意し、生徒間でカードやお菓子交換を楽しみます。また、高校や大学ではバレンタインの特別イベントとしてダンスパーティーを開催するケースもあります。

義理チョコという概念がない

日本では「本命チョコ」「義理チョコ」といった分け方をすることがありますが、アメリカでは、バレンタインはあくまでも日頃の感謝や愛を伝える日と考えられており、「義理チョコ」という概念がありません。

もちろん、日本同様に職場の上司、同僚、友人などへプレゼントを渡す方もいますが、あくまでも感謝の気持ちを込めたギフトになります。

ホワイトデーがない

アメリカにはホワイトデーがないことも大きな違いです。ホワイトデーは日本のお菓子メーカーが「チョコレートのお返しを贈ろう」というキャンペーンを開催したのがきっかけでできた、日本発祥のイベントです。

そのため、アメリカではバレンタインプレゼントのお返しを期待する人もいません。

アメリカのバレンタインで人気のプレゼント事情

アメリカでは、日本でも定番のチョコレートはもちろん、キャンディーや花束、メッセージカード、ぬいぐるみ、ジュエリーなどさまざまなものがプレゼントに選ばれます。

カンバセーションハートという砂糖菓子も、バレンタインギフトとして人気です。カンバセーションハートは、愛情や感謝を伝える言葉やメッセージが刻み込まれているお菓子で、可愛らしい見た目と相手に気持ちを伝えやすいことで愛されています。

アメリカのバレンタインは愛と感謝を伝えるビッグイベント

アメリカでは、バレンタインはカップルや夫婦だけでなく、家族や友人に愛と感謝を伝える日です。男性も女性にギフトを渡すことや、義理チョコ文化やホワイトデーがなかったり、学校行事にバレンタインが組み込まれていたりと、日本とは異なる点が多々あります。

日本ならではのバレンタイン文化を楽しみながら、素敵なバレンタインを過ごしましょう。

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