バレンタインデーの起源は?由来や日本と海外の文化の違いをわかりやすく解説
WANTO編集部意中の男性へ、チョコレートとともに想いを伝えるバレンタインデー。日本では、女性から男性へ気持ちを伝えるイベントになっていますが、そもそもバレンタインデーは何がきっかけで始まったのでしょうか。
実は、バレンタインデーの始まりは、ヴァレンティヌスという人物に祈りを捧げる日だったといわれています。
本記事では、バレンタインデーの起源と由来、日本と海外のバレンタイン文化の違いについて詳しく解説します。
バレンタインの起源と由来
バレンタインデーの起源には、複数の説が存在します。最も有力とされているのが、古代ローマのルペルカリア祭と、キリスト教の司祭・ヴァレンティヌスに関する説です。
古代ローマのルペルカリア祭が由来の説
古代ローマでは、毎年2月14日にルペルカルの洞窟近くでルペルカリア祭と呼ばれる祭事が行われていました。ルペルカリア祭は多産と豊穣を祈り、若い男性が若い女性を選び、ペアでお祭りの期間を過ごすものです。
ルペルカリア祭を通じて結婚に至ることもあったとされており、恋人同士で愛を伝え合うというバレンタインのルーツなのではないかといわれています。
キリスト教の司祭・ヴァレンティヌスが由来の説
三世紀のローマでキリスト教の司祭をしていたヴァレンティヌスが由来となっている説もあります。
当時のローマ帝国皇帝・クラウディウス2世は、兵士の士気に悪影響がでる恐れがあるとして婚姻を禁止していました。しかし、ヴァレンティヌスは皇帝の命令に背き、兵士たちの結婚式を秘密裏に執り行っていたため、西暦270年頃の2月14日に処刑されたといわれています。
ヴァレンティヌスの死後、数々の恋人を幸せにしたとして、2月14日には多くの人々がヴァレンティヌスへ祈りを捧げるようになりました。バレンタインの由来も、彼の名前が関係しているとされています。
バレンタインが世界で流行したのは1840年代
1840年代には、アメリカのマサチューセッツ州ウースターでバレンタインカードが大量に販売され始め、ウースターは「世界のバレンタイン産業の中心地」ともよばれるようになりました。
バレンタインは恋人や家族などに愛や感謝を伝える日として世界各国に広がりを見せ、現代ではオーストラリア・アルゼンチン・メキシコ・韓国・フィリピンなど、多くの国で祝うイベントになっています。
日本のバレンタインの起源
日本のバレンタイン文化が現在のように盛んになったのは、昭和30年代後半頃です。1932年にお菓子メーカー「モロゾフ」が「バレンタインデーにチョコレートを贈る」というスタイルを紹介したことに始まります。
この頃、チョコレート製造会社が「女性から男性へ告白する日」として積極的に広告を打ち出しており、バレンタイン用のチョコレートの購入者を劇場へ招待したり、腕時計をプレゼントしたりする新聞広告が出回ったといわれています。
チョコレート会社の広告が女性の心を捉えたことで、日本でもバレンタインが盛り上がりを見せ、文化として定着したと考えられています。
海外と日本のバレンタイン事情
バレンタインはローマを起源とし、ヨーロッパから世界各地に広まっていったとされていますが、日本と海外のバレンタイン事情には異なる点が多くあります。ここからは、海外と日本のバレンタイン事情について詳しく解説します。
アメリカ
アメリカでは、カップル・家族・友人など大切な人に向けて「愛と感謝を伝える日」として親しまれています。バレンタインのプレゼントは男性から女性に贈るのが一般的で、バレンタインカード・チョコレート・花などを贈ったり、レストランで食事を楽しんだりして過ごします。
小学校では、クラスメイト全員でカードとお菓子を交換する時間を取っているケースもあるようです。
アメリカでは、バレンタインがプロポーズ・結婚式に最適なタイミングとも考えられており、愛する人に宝石などの高価な贈り物をする方も多いとされています。
フランス
フランスのバレンタインデーは、「サン・ヴァランタン」と呼ばれます。サン・ヴァランタンは、カップルでお祝いをする日とされており、男性から女性に愛の言葉とプレゼントを贈ります。友人や職場の同僚・上司などに義理チョコを贈る文化はありません。
プレゼントには、真っ赤なバラ、香水、ランジェリー、アクセサリーなどを贈ることが主流で、日本のようにチョコレートを贈るケースは少ないようです。
プレゼントを贈る以外にも、ロマンチックな食事をしたり、映画・コンサートを鑑賞したりなど、特別なデートを楽しむカップルが多いとされています。
台湾
台湾には、バレンタインが2回(旧暦2月14日・7月7日)あります。ただし、2月14日のバレンタインは「春節(旧正月)」が近いためにあまり盛り上がることはないようです。
2月14日のバレンタインは「西洋情人節」と呼ばれ、日本や西洋の文化に敏感な人たちが恋人に贈り物をする日となっています。7月7日のバレンタインは「七夕情人節」と呼び、大学生や社会人の恋人同士で想いを確かめ合う日として親しまれています。
プレゼントを贈るのは、男性から女性、もしくは男女間で贈り合うのが一般的です。七夕情人節は夏休み中ということもあり、高校生以下の年齢でバレンタインを楽しむことはあまりありません。
日本
日本のバレンタインは、女性から男性にチョコレートを贈り、愛の告白をする日として定着しています。意中の男性に贈る「本命チョコ」のほかに「義理チョコ」や「友チョコ」など、さまざまな慣習がうまれているのは日本ならではです。
最近は自分のために購入する「ご自愛チョコ」の人気も高まっており、バレンタインのチョコレートはさまざまな形で楽しまれ始めています。
バレンタインの起源や由来は古代ローマにあるとされている
バレンタインデーの起源は、古代ローマの祭りやキリスト教の聖人ヴァレンティヌスの伝承に由来しており、もともとは「愛の日」ではなく「祈りの日」でした。
その後、中世ヨーロッパで恋人同士が愛を誓う風習が広がり、やがて世界中に「愛を伝える日」として定着しました。
日本では独自の形に発展し、チョコレートを贈る文化として今も受け継がれています。起源を知ることで、バレンタインデーの贈り物に込められた本当の意味をより深く感じられるでしょう。