初節句の熨斗(のし)とは?お祝い・内祝いの正しい書き方と贈り方マナー

初節句の熨斗(のし)とは?お祝い・内祝いの正しい書き方と贈り方マナー

WANTO編集部

初節句は子どもの健やかな成長を願う大切な行事です。

初節句ののし(熨斗)は、お祝いを贈る側とお返し(内祝い)をする側で書き方が異なります。表書き、名入れ、水引の選び方、内のし・外のしの使い分けなど、押さえるべきポイントがいくつかあります。

この記事では、初節句ののし紙の正しい書き方を、お祝い・内祝い別にわかりやすく解説します。贈る時期、祝儀袋との使い分けまで網羅しているため、この記事だけで初節句のギフトマナーがしっかり身につきます。

初節句ののし(熨斗)とは?

初節句とは、赤ちゃんが生まれて初めて迎える節句の行事で、子どもの健やかな成長を願う大切な行事です。女の子の場合は3月3日の桃の節句(ひな祭り)、男の子の場合は5月5日の端午の節句(こどもの日)にお祝いします。

初節句でのし紙を使う場面は、主に以下の2場面です。

  • 親族や友人が、お祝い(現金・品物)を贈るとき
  • お祝いをいただいた両親が、内祝い(お返し)を贈るとき

お祝いとお返し(内祝い)では、のしの書き方が異なるため、まずは全体像を確認しましょう。

項目 お祝い(贈る側) 内祝い(返礼・お返し)
贈る人 祖父母、親戚、友人 子どもの両親
表書き 御祝/初節句御祝 内祝/初節句内祝
水引 紅白の蝶結び(5本または7本) 紅白の蝶結び(5本または7本)
名入れ 贈り主の名前(フルネーム) 子どもの下の名前のみ
のし 外のし(包装紙の外) 内のし(包装紙の内側)
贈る時期 節句の2週間〜1週間前 初節句後2〜3週間以内(遅くとも1か月以内)

初節句のお祝いに使う熨斗(のし)の書き方

初節句のお祝いに使う熨斗

初節句のお祝いを贈る際は、表書き、名入れ、水引のそれぞれに決まりがあるため注意が必要です。

表書きは「御祝」が基本

表書きは「御祝」と書くのが最も一般的です。水引の上段中央に、筆または筆ペンを使って、濃い黒色で楷書で丁寧に書きます。

表書きを書く際はボールペンや万年筆は避けます。また、薄い墨(薄墨)は弔事に使われるため、必ず「濃い黒」を使用してください。

「初節句御祝」「祝初節句」などの表書きも使うことが可能です。男の子には「祝初端午」「御初幟御祝」、女の子には「祝初雛」「御初雛御祝」と性別に合わせた表書きもあります。

名入れは贈り主のフルネームを書く

熨斗 連名

水引の下中央に贈り主の名前をフルネームで記載します。表書きよりもやや小さめの文字で、バランス良く書くのがポイントです。夫婦連名の場合は、右側に夫、左側に妻の名前を書きましょう。

贈り主が複数いる場合は、3名までは連名で記載し、右から順に年齢や立場が高い順に並べます。4名以上になる場合は、代表者の名前を中央に書き、左側に「外一同」と記載するのが決まりです。別紙に全員の氏名と住所を記載し、中袋に入れておきます。

のしの連名について詳しくは下記の記事をごらんください。

【早見表付き】正しいのし(熨斗)の連名は?書き方と正しい順番を解説!

水引は紅白の蝶結びを選ぶ

初節句のお祝いには「紅白の蝶結び(花結び)」を選びます。蝶結びは「何度でも結び直せる」ことから、何度繰り返しても良いお祝い事に使用します。

結び切りは一度きりの慶事(結婚など)に使うため、初節句には不適切です。

初節句の内祝い(お返し)に使う熨斗の書き方

初節句の内祝い(お返し)に使う熨斗

初節句のお祝いをいただいたら、初節句が終わったあとに内祝い(お返し)を贈ります。

表書きは「内祝」

お返しの表書きは「内祝」が基本です。「初節句内祝」としても構いません。女の子の場合は「桃の花」、男の子の場合は「菖蒲」などの表現を使う例もありますが、一般的ではありません。

名入れは子どもの名前を書く

水引の下段中央に、子どもの名前を記載します。苗字は書かず名前のみを書くのが一般的です。

漢字の読み方が複数ある場合や、初めて子どもの名前を伝える場合には、ふりがなを添えると丁寧です。

水引は紅白の蝶結びを選ぶ

内祝いもお祝いと同じく「紅白の蝶結び」を使用します。水引の本数は5本が一般的です。

内のし・外のしの違いと使い分け

内のしと外のし

初節句では、贈り方によって「内のし」と「外のし」を使い分けます。どちらを選ぶか迷ったときは、配送なら内のし、手渡しなら外のしと覚えておくと良いでしょう。

内のしとは?

内のしは、品物に直接のしをかけ、その上から包装紙で包む方法です。外からはのしが見えない状態になります。

配送で贈る場合や、控えめに贈りたい場合に適しており、配送中にのしが破れたり汚れたりするのを防げるのがメリットです。

外のしとは?

直接手渡しする場合や、お祝いの目的を明確にしたい場合に適しています。一目で誰からの何のお祝いかわかるため、結婚祝いや出産祝いなど、複数の贈り物が集まる場面で役立ちます。

初節句のお祝い・内祝いを贈る時期

初節句のお祝いや内祝いは、適切な時期に贈ることが大切です。遅すぎると失礼にあたるため、タイミングに注意しましょう。

お祝いは節句の2週間前までに贈る

お祝いを贈る時期は、節句の2週間前から1週間前までが目安です。遅くとも節句の1週間前までには届くように手配しましょう。

節句飾りを贈る場合は、さらに早めの準備が必要です。女の子の雛人形は立春(2月4日頃)から2月中旬までに、男の子の兜や鯉のぼりは春分の日までに贈ると、飾り付けの期間を十分に確保できます。

食事会に招待されている場合は、当日に手渡しすることもできます。

内祝いは節句後1ヶ月以内に贈る

内祝いを贈る時期は、初節句が終わってから2〜3週間以内(遅くとも1か月以内) に贈ります。

お祝いをいただいたら、まずは3日以内に電話や手紙でお礼を伝えます。その後、初節句が無事に終わったことを報告し、内祝いの品を贈ります。食事会に招待した相手には、内祝いを省略することが一般的です。

祝儀袋とのし紙の使い分け

初節句のお祝いを贈る際、現金を贈るか品物を贈るかによって、使うものが異なります。

現金を贈る場合は祝儀袋

現金を贈る際は「祝儀袋(ご祝儀袋)」を使用します。表書きは「御祝」「初節句御祝」と書きます。

中袋の書き方には決まりがあり、表面中央に金額を旧字体で記載し、裏面左下に住所と名前を書きます。

金額は「金 壱萬円」「金 弐萬円」のように、大字(だいじ)という旧字体を使うのが正式な書き方です。

品物を贈る場合はのし紙

品物を贈る際は「のし紙」を使用します。のし紙は包装紙の内側または外側にかけます。デパートのギフトカウンターでは無料で対応してくれることが多いため、購入時に確認しましょう。

自分でかける場合は、文房具店などでのし紙を購入し、丁寧に包んでください。

正しいのしマナーで、初節句のお祝いをより丁寧に

初節句は子どもの健やかな成長を願う大切な行事です。お祝いを贈るときと、お返しをするときでは、のしの書き方が異なるため注意が必要です。

お祝いの表書きは「御祝」、名入れは贈り主の名前を書きます。内祝いの表書きは「内祝」、名入れは子どもの名前のみを書きます。水引はどちらも「紅白の蝶結び」を使用します。

内のしと外のしは、配送なら内のし、手渡しなら外のしと使い分けましょう。現金を贈る場合は祝儀袋、品物を贈る場合はのし紙を使います。

正しいマナーを守って、心のこもったお祝いを贈りましょう。

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