お供え物にのしは必要?正しいマナーと掛け紙・表書きガイド

お供え物にのしは必要?掛け紙の水引・表書き「御供」と名前の書き方

WANTO編集部

お供え物には、のし(右上の飾り)を付けません。のしの付いていない掛け紙に、黒白・黄白・双銀などの結び切りの水引を合わせ、表書きは「御供」とするのが一般的です。のしは慶事や一般の贈り物に付けるもので、弔事(仏式)では付けないとされています。(参考:高島屋:熨斗(のし)、高島屋:弔事(仏式)、三越伊勢丹:お供え)

水引の色は地域で異なり、高島屋の仏式の案内では、お供えの掛け紙を東日本は黒白、西日本は黄白(どちらも双銀も可)としています。表書きは「御供」なら時期を問わず使え、四十九日の前は「御霊前」、後は「御仏前」と書くこともあります。(参考:高島屋:弔事(仏式))

お供えの掛け紙(早見)

  • のし:付けない(のしのない掛け紙を使う)
  • 水引:結び切り。東日本は黒白、西日本は黄白が多く、双銀も使う
  • 表書き:「御供」「御供物」が一般的。浄土真宗は「御霊前」を使わない
  • 名前:水引の下に贈り主の姓名
  • 掛け方:配送は内のしが一般的。手渡しなら外のしでもよい

お供えに「のし紙」を使わない理由

のし紙は、右上にのしを印刷した慶事用の掛け紙です。弔事の掛け紙にはのしが印刷されていないため、高島屋は「のし紙」とは言わず「掛紙」と呼ぶとしています。(参考:高島屋:掛紙とのし紙)

のしは、もとはあわびを干した「のし鮑」で、生ぐさもの(魚や肉)を添えたしるしでした。弔事(仏教)では、生ぐさものを断つ、引き伸ばしたくないという意味から、のしを付けないと説明されています。(参考:高島屋:熨斗(のし))

お供えの表書きの選び方

品物のお供えには、時期を問わず「御供」が使えます。お供えを贈る時期ごとの表書きを、高島屋の仏式の案内をもとにまとめます。

時期 品物のお供えの表書き
通夜・葬儀 御供、御霊前
四十九日より前の法要 御供、御霊前
四十九日より後の法要・年忌法要 御供、御仏前、御佛前現金を包むときは「御仏前」「御供料」「御香料」など

(参考:高島屋:弔事(仏式))

お供えの掛け紙の見本3点。品物用の「御供」(時期や宗派は問わない)、金銭用の「御霊前」(四十九日前)と「御仏前」(四十九日後)。いずれものしのない黒白の結び切り

浄土真宗では「御霊前」を使わない

浄土真宗本願寺派は、葬儀や法事の金封について、故人の霊ではなく仏さまに捧げるものなので、書くなら「御仏前」とし、ほかに「御供」なども使われるとしています。相手が浄土真宗とわかっているときや、宗派がわからないときは、品物なら「御供」にしておくと迷いません。(参考:浄土真宗本願寺派:よくある質問(金封の表書き)、高島屋:弔事(仏式))

神式・キリスト教式の場合

三越伊勢丹は、神式のお供えには黒白か黄白の結び切りの掛け紙、または無地の短冊に「御供」、キリスト教式では無地の短冊に「御偲」「御供」としています。蓮の花が印刷された掛け紙は仏式にしか使えません。(参考:三越伊勢丹:お供え、高島屋:弔事(仏式))

名前の書き方

水引の下に、表書きより少し小さく贈り主の姓名を書きます。夫婦や複数人で贈るときの並べ方は、連名の書き方の記事で詳しく紹介しています。(参考:高島屋:表書きの書き方、高島屋:弔事(仏式))

墨の濃さは資料によって分かれます。高島屋は弔事の表書きを薄墨で書くとし、金封メーカーの佐々木紙工は、弔事の金封も一般的には濃い墨を選ぶが、地域や風習によって異なるとしています。店に名入れを頼むときは、地域の慣習に合わせてもらうと安心です。(参考:高島屋:表書きの書き方、佐々木紙工:通夜・葬式・法要の金封)

水引の色と結び方

お供えの水引は、不幸が繰り返さないようにという意味を込めて、結び切り(ま結び)を使います。色は黒白か黄白、双銀が使われます。(参考:三越伊勢丹:お供え、高島屋:弔事(仏式))

地域 お供えの水引の例
東日本 黒白、または双銀の5本結び切り
西日本 黄白、または双銀の5本結び切り

(参考:高島屋:弔事(仏式))

黒白・黄白の使い分けは地域でしきたりが違います。高島屋は、京都では宮中で使う紅の水引が濃い緑色で黒白と区別しにくかったため弔事に黄色を使うようになった、名古屋では一周忌を過ぎると黄白を使うことが多くなる、と紹介しています。迷うときは、相手の地域の店や、法要を営む家に確かめます。(参考:高島屋:ご贈答マナーのよくある質問)

内のし・外のしと、持参・配送の違い

内のしは品物に直接掛け紙を掛けてから包装紙で包む方法、外のしは包装紙の上から掛け紙を掛ける方法です。配送では、掛け紙が傷まないよう内のしが一般的です。手渡しするなら、目的がひと目でわかる外のしでも、内のしでもかまいません。(参考:リンベル:内のしと外のしの違い(2025年5月28日更新))

高島屋は、控えめにしたいときや個人的に渡すときは内のし(中のし)が一般的としています。持参するか送るか、相手との間柄に合わせて選びます。(参考:高島屋:ご贈答マナーのよくある質問)

黒いリボン掛けにする場合もありますが、そのときは掛け紙と併用しません。また、弔事の品物は「不幸が重なる」ことを避けるため、箱を重ねず1点にするのが望ましいとされています。(参考:高島屋:弔事(仏式)、高島屋:ご贈答マナーのよくある質問)

お供えにふさわしい品物

お供えの品物は、宗教によって考え方が違います。贈る前に、故人や遺族の宗教・宗派を確かめます。(参考:三越伊勢丹:お供え)

宗教 お供えの品物
仏式 線香、ろうそく、菓子折り、果物など殺生を禁じることから、肉や魚は避ける
神式 鮮魚、野菜、果物、乾物、お酒、菓子折りなど精進の習慣がないため、肉や魚を供えてもよい
キリスト教式 祭壇に供物は供えない花を贈るなら会場ではなく自宅へ(カトリック)。献花のみが一般的(プロテスタント)

(参考:三越伊勢丹:お供え)

お供えののしに関するよくある質問

Q. 宗派がわからないときの表書きは?

A. 品物のお供えなら「御供」にします。高島屋の仏式の案内では、通夜・葬儀から年忌法要まで、どの時期にも「御供」が挙げられています。浄土真宗本願寺派も「御供」が使われるとしています。(参考:高島屋:弔事(仏式)、浄土真宗本願寺派:よくある質問(金封の表書き))

Q. 五十回忌などの法要でも黒白の水引ですか?

A. 地域や家によっては、五十回忌に紅白の結び切り(のしなし)を使う場合があります。高島屋は、両親を早く亡くしても今の自分があることに感謝する、という考え方から紅白にする例を紹介しています。(参考:高島屋:弔事(仏式))

Q. お供えのお返しには何と書きますか?

A. 法要で施主から参列者に渡すお返しは、のしのない掛け紙に「志」や「粗供養」と書くのが一般的です。四十九日の忌明けの香典返しは、関西では「満中陰志」と書くことが多くなります。(参考:高島屋:弔事(仏式))

法事・弔事ののしをさらに確認する

のしの基本(内のし・外のし、水引、表書き)と場面別の書き方は「のし(熨斗)の書き方・マナーまとめ」で一覧できます。

ブログに戻る