卒業祝いのお返しは必要?相場・金額・時期・のしのマナーまで徹底解説
WANTO編集部卒業祝いのお返しは必要かどうか悩む方は少なくありません。特に、いただいた相手との関係性(祖父母・親戚・職場など)によって対応が異なるため、マナーに不安を感じることもあるでしょう。
この記事では、卒業祝いのお返しが必要なケースと不要なケースの違いから、金額の相場、贈る時期、のしの書き方まで、卒業祝いのお返しに関するマナーを解説します。
卒業祝いのお返しは基本的には不要
卒業祝いのお返しは必須ではない、とする考え方が一般的です。ただし、贈る相手との関係性や地域・家庭の慣習によっては、返礼を用意した方が丁寧な場合もあります。
お返しが不要とされる理由と、返礼したほうがよいケースの違いを解説します。
卒業祝いのお返しが不要とされる理由
日本の贈答文化において、卒業祝いは、子どもや若者の成長を祝うための贈り物です。出産祝いや入学祝いと同じく、お返しを前提としないことが多いため、返礼は必須ではありません。
卒業祝いに関しては、お礼状や電話でのお礼で十分とされるのが一般的です。
卒業祝いのお返しをしたほうがよいケース
基本的には不要とされる卒業祝いのお返しですが、以下のようなケースでは返礼を検討したほうがよいでしょう。
社会人として収入がある状態で卒業祝いをもらった場合
自身で収入を得ている状態でいただいた場合は、お返しをするのが適切です。特に、職場の上司や同僚からいただいた場合は、社会人のマナーとして返礼を考えましょう。
身内以外の方から高額な祝いをいただいた場合
友人の保護者や恩師など身内以外の方から高額な卒業祝いをいただいた場合は、お返しをすることで感謝の気持ちを形にするのが丁寧です。
地域や家庭の慣習でお返しをする習慣がある場合
地域によっては卒業祝いのお返しを贈る習慣があることもあります。迷った場合には、親や祖父母に確認し、家庭や地域の慣習に合わせて判断するとよいでしょう。
祖父母・親戚への対応
祖父母や親戚からの卒業祝いは、基本的にお返しは不要とされていますが、お礼の電話や手書きのメッセージを送ることで感謝の気持ちを伝えることが大切です。
ただし、家庭によってはお返しをする慣習がある場合もあるため、家族と相談して決めるとよいでしょう。
卒業祝いのお返しの相場・金額はいくら?
卒業祝いのお返しをする場合、一般的には、いただいた金額の3分の1から、多くても半額以内が目安とされることが多いです。
たとえば、1万円の卒業祝いをいただいた場合は、3,000円から5,000円程度のお返しが目安です。ただし、この金額はあくまで目安であり、相手との関係性や状況に応じて柔軟に判断することが重要です。
高額な卒業祝いをもらったときの考え方
5万円や10万円といった高額な卒業祝いをいただいた場合、必ずしも半額を返す必要はありません。受け取る側が無理をして高額なお返しをすることは、かえって相手に気を遣わせてしまう可能性があります。
高額なお祝いをいただいた場合は、以下のような対応が適切です。金額にとらわれすぎず、相手の気持ちを尊重した対応を心がけましょう。
- 金額にこだわりすぎず、5,000円から1万円前後の心のこもった品物を選ぶ
- お礼状や手書きのメッセージを添える
- 後日、近況報告をするなど、継続的な感謝の気持ちを示す
卒業祝いのお返しを贈る時期はいつが正解?
卒業祝いのお返しを贈る場合、一般的には卒業祝いをいただいてから10日〜1か月以内がお返しを贈る時期の目安とされています。
ただし、卒業直後は引っ越しや新生活の準備で慌ただしい時期でもあります。お返しの準備が遅れそうな場合は、先にお礼の連絡を丁寧に行い、「お返しは後日改めてお送りします」と一言添えておくと安心です。
なお、卒業式の前にお祝いをいただいた場合でも、受け取ってから1か月以内を目安に対応すれば問題ありません。
卒業祝いのお返しに「のし」は必要?
卒業祝いのお返しを贈る際、のしをかけることは必須ではありませんが、つけることで丁寧な印象を与えることができます。特に、目上の方や正式なお返しを贈る場合には、のしをかけるのがマナーとして適切です。
一方で、親しい友人や同世代の方へ贈る場合、簡易包装でも問題ありません。相手との関係性や状況に応じて判断しましょう。
卒業祝いのお返しのしの書き方・表書き
のしをかける場合、表書きは「内祝」がよく使われますが、「御礼」でも問題ありません。
水引には「紅白の蝶結び」を使用します。蝶結びは何度あっても嬉しいお祝い事に使われる結び方で、卒業のような慶事に適しています。
また、水引の下には、卒業した本人の名前を記入します。フルネームで書くのが一般的ですが、苗字のみでも問題ありません。
卒業祝いのお返しで選ばれる品物の定番
卒業祝いのお返しとして選ばれる品物には、いくつかの定番があります。相手に喜ばれ、かつマナーにも適った品物を選ぶことが大切です。
お菓子
焼き菓子の詰め合わせや銘菓など、日持ちのするお菓子は最も定番のお返しです。個包装されているものは配りやすく、相手の負担にもなりません。
日用品
タオルや洗剤、入浴剤などの実用的な日用品も定番です。誰にでも使いやすく、相手を選ばない点が魅力です。
カタログギフト
相手に好きなものを選んでもらえるカタログギフトは、好みがわからない場合や、複数の方へ同じ予算でお返しをしたい場合に便利です。
卒業祝いのお返しにお菓子が選ばれる理由
お菓子が卒業祝いのお返しとして選ばれる理由は、以下の点にあります。
- 消えものである
- 価格調整がしやすい
- 世代を問わない
食べてなくなる「消えもの」は、形に残らないぶん相手が気を遣いにくく、お返しに選ばれやすいです。
また、お菓子は価格帯が幅広く、いただいた金額に応じて柔軟に選ぶことができます。年齢や性別を問わず喜ばれやすい点も魅力です。
選ぶ際は、日持ちのする焼き菓子や有名店の商品など、品質の良いものを選ぶことがポイントです。
卒業祝いのお返しに添えるメッセージの基本
卒業祝いのお返しには、感謝の気持ちを伝えるメッセージを添えることで、より丁寧な印象を与えることができます。メッセージは長文である必要はなく、短い文章で十分です。大切なのは、以下のポイントを押さえることです。
- お祝いをいただいたことへの感謝
- 卒業後の近況や今後の予定
- 「今後もよろしくお願いします」の一言
また、メッセージには避けるべきNG表現もあるため気をつけましょう。
- 「お返し」という直接的な表現(「御礼」や「感謝の気持ち」と表現する)
- 忌み言葉(「切れる」「別れる」など、縁起の悪い言葉)
卒業祝いのお返しメッセージ例
「この度は、卒業のお祝いをいただきまして、誠にありがとうございました。おかげさまで無事に卒業することができました。ささやかではございますが、感謝の気持ちをお送りいたします。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。」
「この度は、温かいお祝いをいただきありがとうございました。4月からは○○株式会社で社会人としての第一歩を踏み出します。ささやかではございますが、お礼の品をお送りいたします。今後ともご指導のほど、よろしくお願いいたします。」
卒業祝いと就職祝い・入学祝いが重なった場合の考え方
卒業と同時に就職や進学が決まっている場合、お礼をまとめて伝えるという考え方も一般的です。状況によっては、お返しをせず、改めて感謝の言葉を丁寧に伝えるだけでも失礼にはあたりません。お祝いの意図をくみ取り、形式より気持ちを優先しましょう。
また、卒業祝いと就職祝い(または入学祝い)を同じ方から続けていただいた場合、まとめて一度のお返しとすることができます。その際は、両方のお祝いへの感謝を込めた金額とメッセージを考えましょう。
卒業祝いのお返しで迷ったときの考え方まとめ
卒業祝いのお返しについて迷ったときは、以下のポイントを参考に判断しましょう。
- 身内からの祝い:お返しは基本的に不要。お礼の連絡を丁寧にする
- 社会人になった本人が受け取った祝い:お返しを検討する
- 高額な祝いや身内以外からの祝い:返礼を考えるのが丁寧
- 金額の目安:いただいた金額の3分の1から半額程度
- 贈る時期:いただいてから1か月以内
- 品物:お菓子や日用品、カタログギフトが定番
- のし:目上の方や改まった場合はつける
- メッセージ:短文で感謝の気持ちを伝える
最も大切なのは、形式にとらわれすぎず、感謝の気持ちを誠実に伝えることです。卒業という新しい門出を祝福してくださった方々への感謝を忘れずに、自分らしい形でお礼の気持ちを表現しましょう。