高校の卒業祝いはいくら包む？現金・品物の考え方と基本マナー

高校の卒業祝いは、「いくら包めばいいのか」「現金だけで失礼にならないか」など、意外と判断に迷いやすいお祝いのひとつです。

家庭や地域、進路によって考え方が異なるため、はっきりした正解が見えにくいと感じる人も多いでしょう。

この記事では、高校卒業祝いの相場や選び方、基本的なマナーを整理して解説します。

【関係性別】高校卒業祝いの金額相場の目安

卒業祝いの金額は、贈る側と受け取る側の関係性によって変わります。また、家庭の慣習や兄弟姉妹とのバランスを考慮するケースも多く見られます。

家庭の考え方や進路によって差が大きく、一律の相場があるわけではありません。実際には「相場より高いか安いか」よりも、相手に気を遣わせないかどうかを基準に考えることが多いようです。

そのうえで、よく参考にされる金額帯は次の通りです。

贈る側との関係	相場の目安
親	1万円〜数万円程度
祖父母	1万円〜数万円程度
親戚	数千円〜1万円程度
知人・友人	数千円程度

親から贈る場合

親からの卒業祝いは、学費や生活費などの支援と重なることが多いため、金額に明確な決まりはありません。現金を渡す家庭もあれば、進学や就職に必要な物を卒業祝いとして用意する家庭もあります。

たとえば、「卒業祝いとして現金を渡し、進学準備とは切り分ける」家庭もあれば、「パソコンやスーツなど、必要な物を卒業祝いとする」家庭もあります。

どちらが正しいということはなく、家庭として納得できる形かどうかが判断基準になるケースが一般的です。

祖父母から贈る場合

祖父母からの卒業祝いは、まとまった金額になることが多い傾向があります。一方で、他の孫とのバランスや親世代への配慮から、金額を調整する場合もあります。

親戚・知人から贈る場合

親戚や知人の場合は、相手に気を遣わせない金額感を意識することがポイントです。迷う場合は、事前に親へ相談しておくと安心です。

現金・ギフトカードと品物の使い分け方

高校の卒業祝いは、現金・ギフトカード・品物のいずれを選んでも失礼にはあたりません。

実際には、「現金だけだと味気ないのでは」と感じる人もいれば、「不要な物をもらうより現金の方が助かる」という考え方もあります。卒業祝いでは、どちらが正解というよりも、相手の性格や家庭の方針に合っているかどうかで選ばれることが多いようです。

現金やギフトカードは、進学・就職を問わず使いやすく、必要なものを本人が選べる点が大きなメリットです。進路が未定の場合や、引っ越し・準備費用がかかる時期には、実用性の高い選択になります。

一方、品物は卒業という節目を形として残せる点が特徴です。ただし、好みやすでに持っている物と重なる可能性があるため、選ぶ際は注意が必要です。本人の希望が分かっている場合や、事前に親へ確認できる場合に向いています。

どちらにするか迷った場合は、無理に品物を選ばず、現金やギフトカードにメッセージを添える形でも十分に気持ちは伝わります。

高校卒業祝いの選び方【考え方のポイント】

高校卒業祝いで品物を選ぶ場合は、「卒業後に使う場面が具体的に想像できるか」を軸に考えると、失敗しにくくなります。

進路を基準に考える

品物を選ぶ場合は、まず卒業後の進路を軸に考えると整理しやすくなります。

• **進学予定：**通学や学習に使う物、引っ越しや生活準備に役立つ実用品
• **就職予定：**仕事で使いやすい小物、場面を選ばず使える実用品
• **進路が未定：**進路を問わず使える品、または現金・ギフトカード

進路がはっきりしていない場合は、用途を限定しない贈り方の方が選びやすくなります。

長く使えるかを意識する

卒業祝いは一時的な流行よりも、日常的に使える物の方が無駄になりにくい傾向があります。素材やデザインがシンプルで、使用シーンが限られないものを選ぶと安心です。

好みがわかれやすい物は慎重に

服や香水、装飾品などは個人差が大きいため、確信が持てない場合は避けた方が無難です。迷う場合は、現金やギフトカードに切り替える選択も自然です。

卒業祝いを渡す時期の目安

高校の卒業祝いは、卒業式前後から新生活が始まるまでに渡されるケースが多く見られます。

• 卒業式後〜入学式・入社式前
• 遅れる場合は、新生活が本格化する前まで

やむを得ず遅れる場合でも、卒業を祝う一言を添えれば、気持ちは十分に伝わります。

郵送する場合の注意点

現金を郵送する場合は、必ず現金書留を利用します。品物の場合も、簡単なメッセージを添えると印象が和らぎます。

卒業祝いの基本マナー（のし・表書き）

高校卒業祝いを品物や現金で贈る場合は、のし紙を付けるのが一般的です。のしの扱いは形式的に感じられるかもしれませんが、卒業という節目をきちんと祝う意思を示す役割があります。

水引には、紅白の蝶結び（花結び）を選びます。蝶結びは「何度あってもよいお祝い事」に用いられる結び方で、卒業や進学、就職といった人生の節目に適したものとされています。結び切りは婚礼向けのため、卒業祝いでは使用しません。

表書きは「御卒業御祝」または「祝御卒業」とするのが一般的です。卒業と同時に進学や就職を祝う場合は、内容を限定しすぎない「御祝」としても差し支えありません。相手や家庭の考え方に合わせて、使い分けるとよいでしょう。

贈り主の名前は、フルネームで記載するのが基本です。誰からのお祝いかがわかりやすくなり、形式としても丁寧な印象になります。

高校卒業祝いは相手に合わせた形を選ぶ

高校卒業祝いに「こうすべき」という決まりはありませんが、多くの人が悩むポイントには共通点があります。

相場を大きく外れないか、相手に負担をかけないか、そして卒業という節目をきちんと祝う気持ちが伝わるか。この3点を意識するだけでも選びやすくなります。

• 金額は無理のない範囲で
• 迷ったら現金やギフトカード
• 品物は使う場面を想像して選ぶ
• 渡す時期やのしの基本を押さえる

これらを意識することで、卒業という節目を自然に祝うことができます。新しい一歩を応援する気持ちが、相手に伝わる形を選びましょう。