中学校の入学祝い相場は?現金・プレゼントの目安と失敗しないマナー
WANTO編集部中学校への入学は、子どもにとって生活や人間関係が大きく変わる節目のひとつです。
そのため、「入学祝いは何を贈ればいいのか」「金額はどのくらいが無難なのか」と悩む方も少なくありません。入学祝いは気持ちを伝えるものですが、中学校入学の場合は、贈る側との関係性や家庭の考え方によって、適切な形が異なります。
この記事では、中学校の入学祝いについて、一般的に参考にされる相場の考え方や、現金・プレゼントそれぞれの特徴、あわせて押さえておきたいマナーを整理し、相手に負担をかけずに受け取ってもらえる選び方を解説します。
小学校との違いで気をつけるポイント
中学校への入学は、学習面・生活面ともに自立が進み、子どもが大きく成長する段階に入るタイミングです。そのため、中学校の入学祝いは、小学校入学時とは考え方が少し異なります。
小学校の入学祝いでは、ランドセルや学用品など、「入学に必要なものを整える」という意味合いが強い傾向があります。一方で、中学校の入学祝いは、すでに身の回りの基本的な準備が整っていることも多く、これからの学校生活や成長を応援する意味合いが中心になります。
また、中学生は思春期に入り、自分の好みや価値観がはっきりしてくる時期でもあります。そのため、本人の意向だけでなく、家庭の方針や学校ごとのルールにも配慮しながら、無理のない形で選ぶことが大切です。
中学校の入学祝いの相場はいくら?
中学校の入学祝いの相場は、贈る側と子どもとの関係性によって異なります。 一律の決まりはありませんが、無理のない金額で、他の親族や周囲とのバランスを意識することが大切です。
ここでは、関係性ごとに一般的に参考にされる金額帯と、判断の際に意識したいポイントを整理します。
祖父母から孫へ贈る場合の相場
祖父母から孫への中学校入学祝いは、1万円〜5万円程度まで幅があるのが実情です。「1万〜3万円前後」が紹介されることも多い一方で、「5万円以上」を贈る家庭が最も多いという調査結果も見られます。
金額が比較的高くなりやすい理由としては、成長を長く見守ってきた立場であることや高校・大学進学も見据えた応援の意味合いなどが挙げられます。
ただし、金額が大きくなるほど親の管理や使い道への配慮も必要になります。迷う場合は、事前に親と相談する、または兄弟姉妹間で金額を揃えると、家庭内での負担や違和感が出にくくなります。
叔父・叔母から姪・甥へ贈る場合の相場
叔父・叔母から姪や甥へ贈る中学校入学祝いは、1万円前後を目安に考える家庭が多いです。一方で、今後も高校・大学と入学祝いが続いたり、兄弟姉妹がいたりすると、あえて1万円以内に抑える選択をする家庭もあります。
無理なく続けられる金額かどうか、将来的なバランスも含めて考えることが大切です。
友人や知人の子どもへ贈る場合の相場
友人や知人の子どもへの中学校入学祝いは、関係性によって金額の幅が大きいのが特徴です。
「お祝いの気持ちを伝える」ことを重視する場合は、3,000円〜5,000円程度の少額でも失礼にあたることはありません。一方で、家族ぐるみの付き合いがある場合や親しい間柄では、1万円前後を贈るケースも多く見られます。
相手の家庭に気を遣わせない金額感を意識することがポイントです。
入学祝いは現金とプレゼントどちらが良い?
中学校の入学祝いでは、現金を選ぶケースとプレゼントを選ぶケースの両方が見られます。どちらが正解という決まりはなく、家庭環境や本人の状況に合わせて選ぶことが大切です。
ここでは、現金とプレゼントそれぞれの特徴と、選ぶ際の注意点を整理します。
現金が選ばれやすい理由と注意点
中学校の入学祝いでは、現金を選ぶ人も多く見られます。その理由として、以下の点があげられます。
- 使い道の自由度が高い
- 校則や学校指定の影響を受けにくい
- 学用品・部活動費・通学関連など、必要な場面で使える
中学生になると、学校ごとに持ち物のルールが異なったり、本人の好みが短期間で変わったりすることも増えてきます。その点、現金であれば親が必要に応じて管理・判断できるため、使い道に迷いにくいという安心感があります。
一方で、金額がそのまま伝わるため、相場から大きく外れない配慮も必要です。現金で贈る場合はのし袋を使用し、入学祝いとして正式な形で渡すようにしましょう。
プレゼントを贈る場合に失敗しにくい考え方
プレゼントを選ぶ場合は、「学校生活や日常で無理なく使えるか」を基準にすると失敗しにくくなります。中学生は思春期に入り好みや価値観が変わりやすい時期でもあるため、デザイン性よりも実用性を重視する視点が重要です。
また、親が把握・管理しやすいものや学校や家庭のルールに影響されにくいものを選ぶことで、受け取る側の負担も軽減できます。事前に親へ相談できる場合は、使いやすいかどうかを確認しておくとより安心です。
なお、現金に加えて、文房具やハンカチなどの小さな品物を添えるケースもあります。これは必須のマナーではなく、気持ちを補足する目的で行われることがあります。
中学生への入学祝いで避けたいポイント
中学校の入学祝いでは、中学生特有の成長段階や学校環境を十分に考慮することが大切です。ここでは、入学祝いの内容や金額を決める際に注意したい点を整理します。
高額すぎる入学祝いは相手に負担をかけてしまう
相場を大きく超える金額や高価な品物は、受け取る側にとって負担になってしまうことがあります。
特に親の管理下にまだある中学生の場合、高額な現金や品物は、使い道や管理方法について親が判断を求められるケースも少なくありません。
無理のない金額に抑えることで、本人だけでなく親にとっても受け取りやすい入学祝いになります。
思春期特有の好みで使われなくなる
中学生は、成長とともに好みや価値観が大きく変化する時期です。衣類やアクセサリーなど好みがわかれやすいものは、贈った時点では合っていても、使われなくなる可能性があります。
「長く使ってもらえるか」という視点を重視する場合は、好みの影響を受けにくいものを選ぶほうが安心です。
校則や学校指定により使えない場合も
中学校では、学校ごとに校則や持ち物の指定が設けられていることがあります。バッグや靴、文房具などは、指定品以外の使用が認められていないケースもあるため注意が必要です。
事前に学校のルールを確認できない場合は、指定の影響を受けやすい品物は避けるか、親に相談したうえで選ぶと安心です。
中学校入学祝いを贈る際のマナー
入学祝いは、内容や金額だけでなく、渡す時期や形式への配慮も大切です。基本的なマナーを押さえておくことで、相手に安心して受け取ってもらいやすくなります。
ここからは、入学祝いを贈る際に迷いやすい実務的なポイントを中心に確認します。
入学祝いを渡すタイミング
入学祝いは、入学式の2〜3週間前を目安に渡すのが一般的とされています。遅くとも、入学式の1週間前までに渡せると、準備の都合も含めて安心です。
やむを得ず遅れてしまう場合でも、入学後なるべく早い時期に渡せば、失礼にあたることはありません。
のし袋の選び方と表書き
入学祝いを現金で贈る場合は、のし袋を使用するのが基本です。表書きは、「御入学祝」「入学御祝」などが一般的に用いられます。水引は、紅白の蝶結び(花結び)を選びましょう。蝶結びは「何度あってもよいお祝いごと」を意味し、入学・進学祝いに適した水引です。
のし袋の下段には、贈り主の名前を記載します。連名の場合は、立場が上の人を右側に書くのが基本です。同じ立場の場合は、五十音順で並べるとよいでしょう。
のしの基本について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
のし(熨斗)の基本マナー|意味・由来・種類・現代マナーまで詳しく紹介
贈る相手の親への配慮
中学生への入学祝いは、親の協力や管理が前提となる場面も多くあります。
お祝いを渡す際に、入学を祝う言葉や、忙しくなる時期へのねぎらいを一言添えるだけでも、印象は大きく変わります。
金額や品物だけでなく、言葉の配慮も含めてお祝いと考えることで、より気持ちよく受け取ってもらいやすくなります。
中学校の入学祝いの選び方を理解して、納得できる贈り物を選びましょう
中学校の入学祝いは、相場や基本的なマナーを踏まえつつ、中学生ならではの事情に配慮して選ぶことが大切です。
金額に正解はなく、贈る側との関係性や家庭の考え方、今後のバランスを意識しながら、無理のない範囲で決めることがポイントになります。
現金・プレゼントのどちらを選ぶ場合でも、使いやすさや管理のしやすさ、学校や家庭のルールへの配慮を忘れなければ、相手に負担をかけにくい入学祝いになります。
形式や金額にとらわれすぎず、新しい学校生活を応援する気持ちが伝わる形を選びましょう。