入学祝いの封筒の書き方とは?書き方や水引なし封筒のマナーなど徹底解説
WANTO編集部入学祝いを贈るとき、「封筒はどれを選べばいい?」「表書きや名前の書き方はこれで合っている?」と迷う人は多いのではないでしょうか。特に、水引なしの封筒は使えるのか、金額や相手との関係でマナーは変わるのかなど、入学祝いならではの疑問も少なくありません。
本記事では、入学祝いの封筒の選び方と、表書き・名前の書き方をわかりやすく解説します。
入学祝いの熨斗(のし)と封筒の選び方
入学祝いでは、紅白の蝶結びを用いた祝儀袋を選ぶのが一般的なマナーとされています。
蝶結びは何度でも結び直せることから、「何度あっても喜ばしいお祝い事」に使われる結び方です。そのため、入学・進学・出産などの慶事では、蝶結びが適しています。
一方、結婚祝いのように「一度きりであってほしい」お祝いには結び切りを使います。入学祝いでは何度あってもめでたい出来事であるため、蝶結びを選びましょう。
のしについて詳しくは以下の記事をごらんください。
のし(熨斗)の基本マナー|意味・由来・種類・現代マナーまで詳しく紹介
水引なし封筒を使ってよいケースと避けるべきケース
近年は、デザイン性を重視した水引なしの祝儀用封筒も多く見られます。ただし、冠婚葬祭のマナーでは水引のない封筒は略式とされるのが一般的です。そのため、形式や礼儀を重んじる場面では避けたほうがよいでしょう。
一方で、親しい間柄や幼い子どもへの入学祝いなど、カジュアルな場面であれば、水引なしや印刷水引の封筒でも問題にならないケースも多くあります。
金額と封筒の関係
入学祝いでは、包む金額に応じて封筒の格式を選ぶのが基本です。金額が高くなるほど、簡素すぎない封筒を選ぶとよいでしょう。
たとえば、5,000円〜1万円程度であれば、小型でシンプルなのし袋や、水引・のしが印刷された封筒でも問題ないとされています。1万円〜3万円程度の場合は、中型サイズで、紅白蝶結びの水引が付いた祝儀袋を選ぶのが一般的です。
なお、文房具店や百貨店などで販売されているのし袋には、「〇円くらいまで」など金額の目安がパッケージに記載されているものもあります。入学祝いの封筒選びに迷ったときは、その表示を参考にするとよいでしょう。
入学祝いの封筒の書き方
入学祝いの封筒は、書き方にもマナーがあります。ここでは、入学祝いの封筒における表書きや裏面の記入方法について解説します。
表書きの書き方
入学祝いの表書き(上段)は、水引の中央上部に「御入学祝」と書くのが最も一般的で、フォーマルな表現です。ほかにも「入学御祝」「祝御入学」などがありますが、迷った場合は「御入学祝」を選べば間違いありません。
親しい間柄や幼い子どもへの入学祝いであれば、「入学おめでとう」など、少し柔らかい表現を使うケースもあります。ただし、目上の相手や改まった場面では避け、正式な表書きを用いるのが安心です。
表書きは封筒の中でも目立つ部分のため、崩し字や略字は避け、毛筆または筆ペンで楷書で丁寧に書くよう心がけましょう。表書きの下段には、贈り主の氏名を記載します。個人で贈る場合はフルネーム、または姓のみでも問題ありません。
夫婦や親子など連名で贈る場合は、右から目上の順に名前を書きます。夫婦連名の場合は、右に夫、左に妻を書くのが一般的です。いずれの場合も、名前は表書きより少し小さめの文字で、全体のバランスを見て配置しましょう。
裏面の書き方
入学祝いののし袋は、中袋が付いているかどうかで、裏面の書き方が変わります。
中袋が付いた正式なのし袋の場合は、上包みの裏面には何も記入しません。表書きの下段に名前を書いたうえで、住所・氏名・金額はすべて中袋に記入するのが基本的なマナーです。
一方、中袋のない簡易タイプの祝儀袋を使う場合は、上包みの裏面に贈り主の情報を記入します。一般的には、裏面の左下に住所と氏名を縦書きで記載し、金額は指定の記入欄、または中央付近に「金〇円也」と書きます。
すでに中袋が用意されている場合は、上包みの裏面に重ねて記入する必要はありません。記入場所を間違えると失礼に見えることもあるため、中袋の有無を確認してから書くようにしましょう。
入学祝いの中袋の書き方
入学祝いの封筒では、中袋の書き方にも決まりがあります。
金額は大字で記入
入学祝いの中袋の表面には、包んだ金額を漢数字の「大字(だいじ)」で記入するのが基本です。たとえば、1万円は「金壱萬圓」、5,000円は「金伍阡圓」のように書きます。大字は改ざんされにくいため、祝儀袋では一般的に用いられています。
金額の前に「金」、末尾に「也」を付けた「金壱萬圓也」という表記がもっとも正式な書き方ですが、入学祝いのような慶事では「也」を省略したり、「圓」ではなく「円」を使う簡略表記でも差し支えないとされています。
ただし、目上の相手や改まった場面では、できるだけ正式な表記を選ぶのがよいでしょう。迷った場合は、「金壱萬圓也」と書けば失礼にあたることはありません。
住所・氏名の書き方
中袋の裏面には、贈り主の住所と氏名を縦書きで記入するのが基本です。一般的には、裏面の右側に住所、左側に氏名を書きます。住所は都道府県名から省略せずに記載し、その下に氏名を書きましょう。
夫婦や家族など世帯で贈る場合は、「山田太郎・花子」のように連名で記載しても問題ありません。なお、中袋が付いている祝儀袋では、住所・氏名は中袋にのみ記入し、上包み(外袋)の裏面には書かないのがマナーです。
入学祝いのお金の入れ方
入学祝いでは、封筒の書き方だけでなくお金の入れ方にも注意が必要です。ここでは、入学祝いにふさわしいお札や、封筒に入れるときのマナーについて解説します。
新札を使うのがマナー
入学祝いに贈るお金は、できるだけ新札を用意するのが望ましいとされています。入学祝いは新生活の門出を祝う贈り物のため、清潔感のある折り目のないお札を使うことが礼儀と考えられています。
ただし、どうしても新札が用意できない場合は、シワや汚れのないきれいなピン札であれば問題ありません。折れや汚れが目立つお札は避け、状態のよいものを選びましょう。
肖像画が上・表向きになる正しい入れ方
入学祝いでお札を封筒に入れる際は、肖像画が描かれている面を表側にし、かつ上向きになるようにそろえましょう。封筒を正面から見たときに、取り出した瞬間にお札の肖像画が上を向いて見える状態にして入れます。これは、受け取った相手が気持ちよく中身を確認できるようにするための配慮です。
お札の向きをそろえたら、中袋に入れて封をし、上包みに納めます。中袋がない場合は、白い奉書紙や白い紙でお札を包んでから上包みに入れるのがおすすめです。
入学祝いの封筒はボールペンで書いてもいい?
入学祝いでは、使う筆記具にも基本的なマナーがあります。入学祝いの封筒に適した筆記具の基本ルールと、急ぎのときの対処法について解説します。
基本は毛筆・筆ペンが無難
入学祝いの封筒の表書きは、毛筆または筆ペンで書くのが基本です。濃い黒色の墨で、楷書を意識して丁寧に書くと、改まった印象になります。
ボールペンは、略式とされるため、目上の相手や正式な場面では避けたほうが安心です。ただし、親しい間柄やカジュアルなやり取りでは使われることもあります。
また、薄墨は「悲しみで墨が薄くなった」という意味合いから、弔事向けの表現とされています。入学祝いなどの慶事では、薄墨は使用しないようにしましょう。
筆や筆ペンに慣れていない場合でも、市販の筆ペンで丁寧に書けば失礼にあたることはありません。
急ぎのときの対処法
入学祝いの封筒は、毛筆や筆ペンで書くのが基本です。ただし、急な用意で筆ペンが手元にない場合は、黒インクのサインペンや筆ペンタイプのペンで代用するケースもあります。その場合は、太めの軸で、濃い黒色のインクのものを選ぶと、比較的あらたまった印象になります。
どうしてもボールペンしか用意できない場合は、略式の対応として使われることもありますが、推奨される方法ではありません。やむを得ず使用する場合には、縦書きで文字の大きさをそろえ、できるだけ丁寧に書くよう心がけましょう。
あくまで正式には毛筆または筆ペンが望ましいため、事前に準備できる場合は、筆ペンを用意しておくと安心です。
正しい封筒の書き方で気持ちが伝わる入学祝いに
入学祝いの封筒は、選び方や書き方に基本的なマナーがありますが、ポイントを押さえれば難しいものではありません。
入学祝いの書き方や封筒のマナーは、形式を守ること以上に、新たな門出を祝う気持ちを伝えることが大切です。本記事で紹介したポイントを参考に、心のこもった入学祝いを準備しましょう。