
【2025年版】お歳暮のお礼状の書き方は?親戚やビジネスシーン別の例文つき
WANTO編集部お歳暮をもらったときに欠かせないのがお礼状です。とはいえ、「どんな言葉で書けばいいの?」「メールやLINEでもいいの?」と迷う方も多いのではないでしょうか。
本記事では、お歳暮のお礼状の基本マナーから送る時期の目安、形式、相手別に使える例文までわかりやすく解説します。
お歳暮のお礼状とは?基本マナーと必要性
お歳暮のお礼状とは、年末に贈られた品物が無事に届いた報告と感謝の気持ちを伝えるための手紙です。もらった品物へのお礼に加え、相手の心遣いへの感謝を表す意味があります。
とくにビジネス関係や目上の方には、書面で丁寧にお礼を伝えることで信頼関係の維持につながり、より好印象を与えられるでしょう。一方で、親しい友人や家族の場合は必ずしも形式的な手紙が必要とは限らず、電話やメールでも気持ちが伝われば問題ありません。
お歳暮のお礼状を出すタイミングと期限
お歳暮のお礼状は、できるだけ早めに出すのが望ましいとされています。理想的には品物を受け取ってから2〜3日以内、遅くとも1週間程度が目安です。まずは電話などで受け取りの報告と感謝を伝え、その後あらためて手紙を送るのが丁寧な対応です。
もし遅れてしまった場合は、「本来ならすぐにお礼を申し上げるべきところ、遅くなりまして申し訳ございません」と一言添えましょう。年を越して松の内(1月7日ごろ)を過ぎる場合は、時候の挨拶を新年用に変えた「寒中見舞い」として出す方法もあります。
お歳暮のタイミングについて詳しくはこちらの記事をごらんください。
お歳暮はいつからいつまでに贈る?関西・関東・九州 地域別のタイミング
お歳暮のお礼状の基本構成と書き方
お歳暮のお礼状は、一般的な手紙の形式に則って書くと失礼がありません。ここでは、お礼状の書き出しから結びまでのポイントを解説します。
頭語・時候の挨拶・お礼の言葉の流れ
冒頭には「拝啓」といった頭語を置き、結びには対応する「敬具」を用います。より改まった形式にしたい場合は「謹啓」と「謹言(または謹白)」を組み合わせましょう。
頭語の後には、12月なら「師走の候」「歳末の候」といった時候の挨拶を入れ、相手の健康や繁栄を願う一文を添えます。その後、一文字下げて改行し、「さて、このたびは~」「先日は~」と本題に入り、お歳暮への感謝を述べます。
もらった品物を具体的に挙げると、気持ちがより伝わります。ビジネス相手には格式を重んじ、親しい相手には「家族で喜んでいます」といった率直な表現でも温かさが伝わるでしょう。
結びの言葉と健康を気遣う表現例
本文の結びでは、相手の健康や今後の繁栄を祈る一文を添えると、丁寧な印象になります。
例文:
「年末ご多忙の折ではございますが、どうぞご自愛ください」
「厳寒の折、○○様におかれましてはご健勝にて新年をお迎えになられますようお祈り申し上げます」
ビジネス関係では「貴社のますますのご発展をお祈り申し上げます」といった定型句も適切です。結びの後には必ず結語を入れ、頭語と対応させるのが基本です。
親しい間柄なら少し柔らかい表現でも構いません。最後に日付と差出人名を記し、その下に宛名を添えると形式として整います。
縦書き・横書き・句読点のマナー
改まったお礼状では縦書き・封書が基本です。とくにビジネスや目上の方には、白無地の縦罫便箋と和封筒を用いた縦書きが丁寧とされます。毛筆や万年筆が理想ですが、読みやすい楷書であれば黒や青のボールペンでも問題ありません。
最近ではパソコンで作成・印刷し、最後に署名を手書きする方法も一般的になっています。親しい相手なら横書きのカードやはがきでも差し支えなく、近年はメールで済ませる例も増えています。
句読点を使わないのが基本ですが、今は読みやすさを優先して使っても失礼にはなりません。縦書きの場合は句読点を省き、改行や一字空けで整える方法もあります。
宛先別:お歳暮のお礼状の例文
お歳暮のお礼状は、相手との関係性によって文面のトーンを変えるのがポイントです。ここでは「ビジネス」「上司」「親戚」「友人」の4パターンを例文つきで紹介します。
ビジネス・取引先向けのお礼状例文
会社全体宛ての場合は「◯◯株式会社 御中」とします。文中では「平素よりご高配を賜り…」といった日頃の取引への感謝を添えるとよいでしょう。
例文:
拝啓 歳末の候、◯◯株式会社におかれましては益々ご清栄のこととお喜び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、このたびはご丁寧なお歳暮の品を頂戴し、誠にありがとうございました。
社員一同、温かいお心遣いに心より感謝申し上げます。
厳寒の折、貴社の益々のご発展をお祈り申し上げます。
まずは略儀ながら書中をもちまして御礼申し上げます。
敬具
令和◯年12月吉日
◯◯株式会社 営業部〇〇課
課長 山田 太郎
個人宛てには「会社名+部署名+氏名+様」とします。もらった品に触れ、「家族で美味しくいただきました」など具体的に伝えると好印象です。
例文:
拝啓 師走の折、◯◯様におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
平素より大変お世話になっております。
先日は結構なお歳暮の品を頂戴いたしまして、誠にありがとうございました。
御社の△△、早速家族で美味しくいただきました。毎年お心にかけてくださり厚く御礼申し上げます。
年末ご多忙のことと存じますが、どうぞご自愛くださいませ。
まずは書中をもちまして御礼申し上げます。
敬具
令和◯年12月◯日
◯◯株式会社
山田 太郎
上司へのお礼状例文
上司宛てでは、日頃の指導への感謝を冒頭で伝えましょう。社内であっても手書きで封書にすることで、より誠意が伝わります。
例文:
拝啓 師走の候、◯◯部長におかれましてはご清祥のこととお喜び申し上げます。
平素はひとかたならぬご指導を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、このたびは過分なお歳暮の品を頂戴し、誠にありがとうございました。
ご厚意に預かり、家族ともども大変ありがたく存じております。
年末ご多忙の折ではございますが、どうぞご自愛くださいませ。
まずは略儀ながら書中にて御礼申し上げます。
敬具
令和◯年12月◯日
営業部 山田 太郎
親戚宛のお礼状例文
親戚宛てでは「拝啓・敬具」を省き、自然な口調でまとめます。家族連名にすると一層和やかな印象です。
例文:
◯◯様
このたびは結構なお歳暮の品を送っていただき、誠にありがとうございました。
お贈りいただいた◯◯、早速家族で美味しく◯◯にしていただきました。子どもたちも大喜びでした。
毎年心のこもった贈り物をくださり、本当にありがとうございます。遠く離れていてもお気持ちが伝わり、心が温かくなりました。
師走に入り何かと気忙しい毎日ですが、どうぞお体にお気をつけてお過ごしください。
令和◯年12月◯日
山田 太郎・花子
友人・親しい人宛のお礼状例文
友人宛てはカジュアルな文章で問題ありません。口語調で素直に喜びを伝えることで、温かさが伝わります。
例文:
◯◯へ
先日は素敵なお歳暮をありがとう!
毎年楽しみにしているけれど、今年の◯◯もとても美味しくて家族みんな大喜びだったよ。
なかなか会えないけれど、◯◯のおかげで年末の食卓が華やいだ感じがします。本当にありがとう。
寒い日が続いているけど、体調崩さないよう気をつけてね。落ち着いたらまたゆっくり会おう。
2025年12月◯日
山田 太郎
お歳暮のお礼状よくある疑問Q&A
お歳暮のお礼状は、いざとなると迷う場面が多いものです。ここからは、よくある疑問を整理し、すぐに役立つマナーの基本や文例をわかりやすく解説します。
Q1. お歳暮のお礼状を出さないのは失礼?
お歳暮のお礼状は、ビジネス関係や目上の方に対しては必ず出すのが基本的なマナーです。お礼状には「品物が無事に届いたこと」「改めて感謝を伝えること」といった役割があります。連絡をしないままでは、相手に不安や不快感を与えかねません。
親しい友人や家族であれば直接感謝を伝えるだけでも十分ですが、ビジネスシーンでは形式を守る方が安心です。どうすべきか迷う場合は、礼を尽くす意味でもお礼状を出すのが無難です。
Q2. お歳暮を辞退・お断りする場合の文例は?
辞退する場合も、まずは厚意に対して感謝を丁寧に伝えることが大切です。そのうえで、意思を示します。
例文:
「この度はご丁重なお心遣いをいただき、誠にありがとうございました。お気持ちだけありがたく頂戴いたします。」
「毎年ご厚情を賜り恐縮しております。勝手ながら今後はどうぞお気遣いなさいませんようお願い申し上げます。」
会社の方針などで贈答を控える場合は「弊社ではお気持ちだけ頂戴することになっております」と伝えると角が立ちません。最後に「今後とも変わらぬお付き合いをお願い申し上げます」と添えることで、よい印象を与えます。
Q3. お礼状にLINEやメールはどこまで許される?
ビジネスシーンでは、封書やはがきで送るのが基本です。とくに目上の方や格式を重んじる相手に対しては、メールやSNSだけで済ませるのは避けるべきです。
ただし、届いた直後に「無事に受け取りました」と迅速に伝える目的で、まずメールを送り、後日改めて正式なお礼状を出す方法もあります。
一方で、若い世代の同僚や親族など親しい関係にある相手であれば、メールやLINEで感謝を伝えるだけでも十分な場合があります。ただし、年配の方やビジネス上の重要な相手には、簡潔でもよいので紙のお礼状を出すのがおすすめです。
お歳暮のお礼状で感謝をスマートに伝えよう
お歳暮のお礼状は、贈り主への感謝を丁寧に伝える大切な手段です。もらってから3日以内、遅くとも1週間以内に出すのが望ましく、頭語や時候の挨拶で始め、感謝の気持ちと相手を気遣う言葉を盛り込みましょう。
縦書き封書が基本ですが、相手との関係によってはハガキやメールでも問題ありません。大切なのは形式にとらわれすぎず、心のこもった感謝を自分の言葉で伝えることです。本記事を参考に、年末はスマートなお礼状で気持ちを届けてみてください。