内祝いの熨斗(のし)のマナーとは?書き方・種類・シーン別の使い分けを徹底解説
WANTO編集部結婚や出産、快気祝いなど、人生の節目でいただいたお祝いへのお返しとして贈る内祝い。
内祝いを用意する段階で、「のしは必要なのか」「蝶結びと結び切り、どちらを選べばいいのか」と
手が止まってしまう方は少なくありません。
この記事では、内祝いにおける熨斗(のし)の基本から、シーン別の正しい選び方・書き方までを徹底解説します。蝶結びと結び切りの違いや、内のし・外のしの使い分けなど、迷いやすいポイントも紹介します。
内祝いに熨斗(のし)は必要?シーン別早見表付き
内祝いでは、正式な贈答の場面では「のし紙」を掛けるのが一般的とされています。一方で、近年はカジュアルな贈り方も増えており、相手や状況によって判断が分かれる点でもあります。

- のし(熨斗): 右上の飾り。本来は「のしあわび」を模したもの
- 水引(みずひき): 中央の紐飾り
- 表書き(おもてがき): 水引の上段に書く贈り物の目的
- 名入れ: 水引の下段に書く贈り主の名前
まずは、自分の贈る内祝いがどのパターンに当てはまるか、次の早見表で確認してみましょう。
内祝いシーン別早見表
| 内祝いの種類 | 水引の結び方 | 本数 | 表書きの例 | 名入れ |
|---|---|---|---|---|
| 結婚内祝い | 結び切り | 10本 | 内祝、寿 | 新姓 または 新郎新婦の連名 |
| 出産内祝い | 蝶結び | 5本・7本 | 内祝、出産内祝 | 赤ちゃんの名前(ふりがな付) |
| 快気内祝い | 結び切り | 5本・7本 | 快気内祝、快気祝 | 本人の苗字(またはフルネーム) |
| 新築内祝い | 蝶結び | 5本・7本 | 内祝、新築内祝 | 贈り主(世帯主)の苗字 |
| 入学・節句内祝い | 蝶結び | 5本・7本 | 内祝、入学内祝 | 子どもの名前(ふりがな付) |
水引の種類
内祝いで特に迷いやすいのが、水引(みずひき)の結び方です。結び方を誤ると、相手に違和感を与えてしまうこともあるため、お祝いの内容に応じた使い分けを理解しておくことが大切です。
蝶結び(花結び)は繰り返しても良いお祝いに使う

蝶結び(花結び)は、紐を引くとほどけ、何度でも結び直せる結び方です。この性質から、「繰り返してもよいお祝い事」に用いられます。
内祝いの中では、出産・新築・入学など、今後も同様のお祝いが重なっていく可能性のあるシーンで選ばれます。
結び切りは一度きりのお祝いに使う

結び切り(真結び)は、一度結ぶとほどけない形状の水引です。「繰り返さないこと」を願う意味が込められており、一度きりであることが望ましいお祝いに用いられます。
代表的なのが結婚内祝いです。「一生に一度であってほしい」という意味を込め、紅白10本(両家が結ばれることを表す本数)が用いられるのが一般的です。
もう一つが快気内祝いです。こちらは「病気やケガが二度と起きないように」という願いを込めて、結び切りの水引を選びます。
関西地方では「あわじ結び」も使われる

あわじ結び(淡路結び)は、両端を引っ張るとさらに固く結ばれる、複雑な形状の結び切りです。「末永く付き合う」という意味があり、見た目も華やかです。
主な用途は結婚内祝いです。ただし、地域差があり、関西地方など一部の地域では、蝶結びの代わりにあわじ結びを用いるケースが見られます。
【シーン別】内祝いの表書きと名入れの正しい書き方
のし紙が決まったら、次は表書きと名入れを記入します。筆ペンや毛筆を使い、濃い黒色ではっきりと書くのがマナーです。シーンごとの書き方を確認しましょう。
結婚内祝いの書き方

表書きは「結婚内祝」、または「寿」と書きます。名入れは、新しい名字をお披露目する意味から、新姓のみとするのが一般的です。連名の場合は右側に夫の名前、左側に妻の名前を書くのがルールです。
職場関係などで旧姓の認知が必要な場合は、佐藤(旧姓 田中)のように補足するか、短冊のしで対応すると混乱を防げます。
出産内祝いの書き方

表書きは「内祝」、または「出産内祝」と書きます。名入れは赤ちゃんの名前を書きます。これは、お祝いへのお返しであると同時に、赤ちゃんの名前をお披露目する意味も持つためです。
読み方が難しい・簡単に関わらず、名前の右横にふりがなをふります。双子の場合は、右側に第一子(兄・姉)、左側に第二子(弟・妹)の名前を連名で書きます。
快気内祝いの書き方

全快している場合は「快気祝」、退院後も通院や療養が続く場合は「快気内祝(御見舞御礼)」を使います。
名入れは本人の姓(または氏名)とし、水引は「二度と繰り返さない」意味を持つ結び切りを選びます。
新築内祝いの書き方

表書きは「内祝」、または「新築内祝」と書きます。名入れは世帯主の姓、または夫婦連名で記入。水引は蝶結びを使用します。
初節句内祝いの書き方

表書きは「内祝」、または「初節句内祝」と書きます。名入れはお祝いの主役である子どもの名前を書きます。出産内祝い同様、ふりがなを振ると親切です。水引は蝶結び(紅白5本または7本)を使用します。
七五三内祝いの書き方

表書きは「内祝」、または「七五三内祝」と書きます。名入れは子どもの名前を書きます。ふりがなも添えると丁寧です。水引は蝶結び(紅白5本または7本)を使用します。
入学内祝いの書き方

表書きは「内祝」、または「入学内祝」と書きます。小学校だけでなく、中学・高校・大学入学でも同様です。名入れは入学する子どもの名前を書きます。水引は蝶結び(紅白5本または7本)を使用します。
「内のし」と「外のし」の使い分け方
のし紙の掛け方には、包装紙の内側に掛ける「内のし」と、包装紙の外側に掛ける「外のし」の2種類があります。
基本は渡し方で判断しますが、相手との関係性や贈るシーンによって例外もあります。
「内のし」は配送や控えめに贈りたいときに使う

内のしとは、品物にのし紙を掛け、その上から包装紙で包む方法です。配送中にのし紙が破れたり汚れたりするのを防ぐため、宅配便や郵送で送る場合は内のしが基本です。
また、のしが表に出ないため、「お祝いのお返しを控えめに贈る」という内祝い本来の意味合いに近い形になります。
「外のし」は贈り物を手渡しするときに使う

外のしとは、包装紙の上から、のし紙を掛ける方法です。相手に贈り物を渡した際に、表書きが見えるため、何のお祝いか、誰からの贈り物かが一目でわかります。
そのため、訪問して直接手渡しする場合や、贈答の目的をはっきり伝えたい場面に向いています。
職場や特殊なケースでののしマナー
最後に、職場でのお返しなど、マナーの正解が一つに決めにくいケースについても整理します。
職場で旧姓を使用している場合の対応
結婚後も職場では旧姓を使い続けている場合、新姓で内祝いを贈ると、誰からの贈り物かわからない可能性があります。熨斗(のし)の名入れは戸籍上の新姓を書くのが正式ですが、配送伝票の依頼主名を旧姓にするか、のしの中に新姓(旧姓)と併記する方法がわかりやすくおすすめです。
連名でお祝いをいただいた場合の対応
職場の部署一同や友人グループなど、複数人から連名でお祝いをいただくことがあります。個包装のお菓子などを1つの箱でまとめて返す場合は、通常通り表書きを内祝、名入れを贈り主(自分)の名前にして贈ります。
一方、一人ひとりにプチギフトなどを個別にお返しする場合は、それぞれの品物に小さめののし紙(またはシール状ののし)を掛けて贈るのが丁寧です。
正しい熨斗(のし)を添えて心からの感謝を届けよう
最後に、内祝いの熨斗のポイントをおさらいします。
- 内祝いには原則「のし紙」を掛け
- 蝶結びの水引は何度あっても良いお祝いに使う
- 結び切りの水引は一度きりが良いお祝いに使う
- 配送なら「内のし」、手渡しなら「外のし」を選ぶ
のし紙は、日本の美しいマナーの一つです。正しい熨斗(のし)を選んで、大切な方へ感謝の気持ちをしっかりと届けましょう。